4. 乗り換えを判断する3つのポイント
実際に中途換金を検討する際は、金利差だけでなく、次の3点もあわせて確認しておきたいところです。
4.1 発行から1年を経過しているか
そもそも発行から1年未満の場合は、原則として中途換金そのものができません。まずは自分が保有している国債の発行日を確認し、1年を経過しているかどうかをチェックしましょう。
4.2 そのお金を近いうちに使う予定があるか
乗り換え後に新しく買う国債も、種類にかかわらず発行から1年間は再び中途換金できません。近いうちにまとまった資金が必要になる予定がある場合は、乗り換えによって資金の自由度がどう変わるかも考えておく必要があります。
4.3 乗り換え先を変動10年にするか、固定にするか
固定5年・固定3年から乗り換える場合、乗り換え先をどの商品にするかも判断が分かれます。今後も金利の上昇が続くと考えるなら、半年ごとに利率が見直される変動10年を選べば、将来の金利上昇も取り込みやすくなります。逆に、金利がピークに近いと考えるなら、その時点の高い利率で固定できる固定5年・固定3年を選び直すという判断もあります。
個人向け国債は、中途換金しても額面(元本)自体が減ることはなく、差し引かれるのは直近の利子相当分だけという設計になっています。この仕組みを理解しておくと、「金利が上がったタイミングで見直す」という選択肢を、必要以上に身構えずに検討しやすくなります。
ただし、乗り換えた後の新しい国債も、購入から1年間は動かせなくなる点は変わりません。目先の金利差だけでなく、ご自身の資金計画全体の中でどう位置づけるかを踏まえて判断することをおすすめします。
5. まとめ
個人向け国債の金利は、変動10年が「基準金利×0.66」、固定5年・固定3年がそれぞれ「基準金利-0.05%」「基準金利-0.03%」という計算方法で、募集月ごとに決まります。どの商品も最低年0.05%の金利は保証される一方、2024年以降は市場金利の上昇を背景に、実際の適用利率も大きく上がってきました。半年ごとに利率が見直される変動10年は、数年前に買ったものでも自動的に金利が上がっているため、原則として乗り換えの必要はありません。一方、発行時の利率で固定される固定5年・固定3年は、低金利時代に買ったものであれば、中途換金調整額(直近2回分の利子相当額×0.79685)を差し引いても、乗り換えによって利息を増やせる可能性があります。ご自身が保有している国債の種類・利率・発行日を確認し、資金計画とあわせて検討してみてください。
参考資料
和田 直子
