3. 住宅ローン選び「決めて」はなに?利用者の約7割が「変動型」を選択する実態

実際に住宅ローンを組んでいる人は、どのような基準で選んでいるのでしょうか。

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」によると、ローンを選んだ決め手として「金利の低さ」を挙げた人が62.0%と最多でした。利用した金利タイプも「変動型」が75.0%を占めます。

3.1 重視される「金利の低さ」と長期返済

住宅ローン選び「決め手」はなに?2/3

住宅ローン選び「決め手」はなに?

出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」

一方で、全体の73.7%の人が今後1年間で住宅ローン金利は「現状よりも上昇する」と考えています。目先の低金利を活用しつつも、長期的な返済に向けて金利上昇への警戒感をしっかりと持っている利用者の堅実な姿が浮かびます。

4. 金利上昇に備える。「固定型」と「変動型」の特徴と3つの対策ポイント

 代表的な2つの金利タイプの特徴を整理します。

「変動金利型」と「固定金利型」3/3

「変動金利型」と「固定金利型」

出所:国土交通省「住宅ローンの常識が変わる!?」リーフレット

4.1 変動金利型

当初の適用金利が低く毎月の返済額を抑えやすい半面、将来的に返済額が増えるリスクがあります。多くの銀行では、金利が変わっても5年間は返済額を維持する「5年ルール(急激な負担増を防ぐ仕組み)」がありますが、ネット銀行など一部の金融機関では未導入の場合もあるため事前の確認が必須です。

4.2 固定金利型 

借入当初の金利は高めですが、完済まで金利が変わらないため将来的な金利上昇リスクがありません。

4.3 ほかにもある金利タイプ・ローンの組み方

さらに、これら以外にも多様なニーズに応えるためのローンの組み方が存在します。借り入れ当初の数年間(3年・5年・10年など)だけ固定金利となる「固定金利期間選択型」もその一つです。また、借入額を変動金利と固定金利に分けて併用する「ミックスローン」を活用し、リスクを分散させながら返済していくことも可能です。

4.4 金利上昇に備えるための対策ポイント

金利上昇に備えるための対策ポイントは以下の3つです。

  • 審査上の限度額ではなく、ライフイベントを考慮した無理なく返せる額で借りる
  • 借り入れ当初の数年間だけ固定金利となる「固定金利期間選択型」を活用する
  • 変動金利と固定金利に分けて併用する「ミックスローン」でリスクを分散する

5. まとめにかえて

今回は、2026年9月時点の大手銀行における住宅ローン金利の動向や、金利上昇に備えるための対策について解説しました。

大手銀行の変動金利が1%を超える中、多くの方が金利上昇の影響を受けやすい状況にあります。目先の低金利だけでなく将来のライフイベントも見据えたローン選びがより一層求められています。住宅ローンは「一度借りて終わり」ではなく、定期的な見直しが必要な時代へと変化しています。世間のニュースに過度に惑わされず、ご家族の安心を第一に考えた資金計画を立てていきましょう。

村岸 理美
住宅ローンの金利上昇ニュースを目にすると焦りを感じやすいものですが、急いで決断するのは禁物です。まずはご家庭の現在の収支を紙に書き出し、いくらまでなら毎月無理なく支払えるのか、現状を正しく把握することから始めてみてください。通信費や保険料などの見直しでカバーできる場合もあります。迷われたときは、中立的な立場から家計全体のアドバイスができるFPなどの専門家を頼るのも一つの有効な手です。

参考資料

村岸 理美