9月も後半となりましたが、物価の上昇はさらに加速しているように感じます。
株式会社くふうカンパニーが行った「節約意識に関するアンケート」によると、今年7月の支出額が昨年7月に比べて「増加した」と感じている方が約9割にのぼったことがわかりました(2022年9月15日公表)。
中でも物価高を感じる項目の1位は食料品。次いでガソリン、電気、日用品と、「生活必需品」が続きます。
将来に向けて貯蓄を頑張りたい人にとって、昨今の物価上昇は心が折れやすい減少ですよね。そんなとき、ふと周りの貯蓄額が気になることもあります。
実は、各年代とも一定の割合で「貯蓄ゼロ」が存在します。貯蓄の実態を知ることで「ウチは安心」と解決してしまうことも。しかし、本当にそれでいいのでしょうか。
今回は年代別の貯蓄実態を探るとともに、貯蓄をする上で必要なポイントをまとめていきます。
20~70歳代で「貯蓄ゼロ」の割合とは
まずは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとに、貯蓄ゼロの割合を見ていきます。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
- 20歳代:37.1%
- 30歳代:22.7%
- 40歳代:24.8%
- 50歳代:23.2%
- 60歳代:19.0%
- 70歳代:18.3%
20歳代はまだ働き始めた方も多く、貯蓄ゼロの割合は高めです。徐々に年収が上がり始めた30歳代では、22.7%にまで下がります。
しかし、その後は再び増加することに。結局50歳代までは20%台を推移しているのです。5世帯に1世帯は貯蓄がないという現状に、驚かれた方も多いでしょう。
収入があがっても、年代があがるごとに待ち受けるライフステージによっては、支出が高まります。
特に子育て世帯では子どもの教育費が家計を圧迫するでしょう。住宅を購入し、ローン返済が重くのしかかる世帯もあります。
こうした背景により、一定の割合で貯蓄ゼロの世帯が存在すると考えられます。しかし、「ウチは少しなら貯蓄があるから安心」と捉えるのは早計です。理由を2つ見ていきましょう。
1. 「貯蓄ゼロ」は厳密には全く貯金がないわけではない
今回参考にした「家計の金融行動に関する世論調査」では、貯蓄の定義を下記のように定めています。
定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。事業性資金や実物資産、現金・預貯金で日常的な出入れ・引落しに備えている部分は除く。
日常的な出し入れや引き落としに備えているお金は除くため、口座を一つでやりくりしている場合などは、その口座残高が含まれません。
仮に1000万円の残高がある口座でローンの返済やクレジットカードの引き落としを済ませていれば、貯蓄とカウントされないのです。
つまり、純粋に貯蓄が0円という世帯はもっと少ないことが考えられます。
参考までに、貯蓄ゼロ世帯のうち「現在保有している預貯金残高合計」と答えた結果も見ておきましょう。
- 20歳代:164万円
- 30歳代:852万円
- 40歳代:260万円
- 50歳代:843万円
- 60歳代:357万円
- 70歳代:894万円
こうして眺めると、先程の貯蓄ゼロという割合から大きく印象が変わるのではないでしょうか。
2. 必要な貯蓄額は世帯によって異なる
当然ながら、必要となる貯蓄額は世帯によっても異なります。
仮に同年代の貯蓄状況より優れていたとしても、我が家にとって十分とは言い切れません。反対に、平均並みの貯蓄がなくても豊かに暮らせる世帯があるのも事実です。
必要となる貯蓄が異なる要件はさまざまですが、大きく3つに分けられるでしょう。
1つ目は収入の違い、2つ目は支出の違い、3つ目は不労所得や親からの援助など、仕事の収入以外のお金の有無です。
中でも大きいのが、支出の違いではないでしょうか。住む場所によって物価は違いますし、子どもの人数や進路によって数百万~数千万円変わります。
こうした支出を長い目で捉え、客観的に整理した貯蓄計画が個々で必要になるのです。
将来に向けた貯蓄の準備を
「お金を貯めたい」と思う方は多いですが、漠然と節約してもなかなか貯まらないものです。昨今の値上げラッシュではさらに困難さを感じているでしょう。
大事なのは、我が家にとっていつまでにどれくらいの貯蓄が必要かという計画です。人生には貯めどきがあるため、今貯蓄が難しくても大きく貯められる年があるかもしれません。反対に、今が貯蓄の黄金期という場合は逃がすことができません。
ライフプランを立てることで、まずはキャッシュフローを確認する。その上で、今貯めるべきお金を設計することが重要になるでしょう。
最近では無料のライフプランツールなどもあるので、利用してみるのもおすすめです。数十年先の生活を見据え、自分にとって必要なお金と向き合っていきたいですね。
参考資料
- 株式会社くふうカンパニー「【トクバイ調査】物価上昇で家計の支出増加を実感している人が約9割。食費の節約を心がけるも、食事の「栄養バランス」「おいしさ」は死守」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」
太田 彩子
