また、女性は専業主婦をモデルとして国民年金の水準を参考にしていると思うが、これからの時代を考えれば、女性も仕事を続けている世帯も更に多くなると思う。女性も厚生年金に加入しているケースであれば、報酬次第であるが男性と同じような年金水準になってもおかしくはない。

やはりフローとストックで考えよう

ここまで見てきたように、金融(ファイナンス)はどこまでいっても、フローとストックで考える必要がある。企業の決算書も損益計算書やキャッシュフロー計算書というフローと、貸借対照表というストックからなる。どちらか一つを掘り下げても、それは不十分というものである。

金融庁レポートの「老後2000万円問題」は一部の表現だけを取り上げられて大きな騒ぎとなったが、これらのフローとストックをさらに絡ませて議論できていればここまで大きな騒ぎになっていなかったのではないかと思う。

お金に関する多くの公開情報を羅列し、一部のフローに注目し、数字にしたがために注目されることとなったというのがオチではないだろうか。

もっとも、老後2000万円問題として報道されることで誰が幸せになったかは定かではないが、まずは確認すべきは退職金の水準や不動産価値、そして将来の年金水準ではないだろうか。もっとも、年金も今後大きくその給付タイミングや水準も変わっていくであろうが。

参考記事

  1. 「厚生年金や国民年金をみんな、いくらもらっているのか」
  2. 「「老後2000万円」問題で見落とされている?絶対に知っておきたい3点」
  3. 「60歳代の貯蓄額はどのくらい?ゆとりある老後への2つの方法」
  4. 「60代の貯蓄額の平均はどのくらいか」
  5. 「女性向け無料マネーセミナーで失敗しない方法!おすすめセミナーの選び方」

泉田 良輔