3. 「割引が使えない」など、誤解しやすい点にも注意したい

シニア向けの割引・ポイント制度は便利な一方、店舗やサービスによって適用範囲が異なるため、思い込みによる誤解も起こりやすい分野です。

3.1 シニアナナコの割引は、イトーヨーカドー系列店に限られる

意外と見落とされがちなのが、シニアナナコの割引特典が使える範囲です。

「ナナコ」という名称から、コンビニのセブン-イレブンでも同じ割引が受けられると思われがちですが、シニアナナコデーの5%割引はイトーヨーカドーやヨーク系列店が対象で、セブン-イレブンでは通常のnanacoポイントが貯まるのみで、割引の対象にはなりません。系列が違えば特典の内容も別物になる、という点は覚えておきたいところです。

3.2 ポイント倍率が高くても、上限や条件で受け取れる額は変わる

楽天市場の「5と0のつく日」は「ポイント4倍」という表示が目立ちますが、内訳を見ると、楽天カード利用による通常特典が2倍、5と0のつく日限定の上乗せ分が1倍、楽天市場の基本ポイントが1倍という積み上げです。このうち限定の上乗せ分には月間1000ポイントの上限があるため、高額な買い物であっても、上限を超えた分にはこの特典が付与されません。「倍率」だけでなく、上限額や対象範囲まで確認する習慣をつけておくと安心です。

和田 直子

「ナナコ」や「ポイント4倍」といった名称・表示だけで判断すると、実際に受けられる特典と食い違うことがあります。対象店舗、対象商品、決済方法、上限ポイントの4点は、利用前に必ず確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

4. ポイント・割引目当ての消費に注意したい理由

お得な制度をうまく使うことは家計の助けになりますが、割引やポイントを目的化してしまうと、かえって支出が増えてしまうこともあります。

4.1 「お得だから」で、予定外の買い物が増えていないか

5%OFFやポイント4倍といった特典は、あくまで「予定していた買い物」を割安にする効果がある一方で、「その日に買わないと損」という心理から、本来は必要のなかった商品まで購入してしまうと、割引分以上の支出になりかねません。年金支給日にまとめ買いをする際は、事前に買うものをリストにしておくなど、衝動買いを防ぐ工夫も有効です。

4.2 割引率とポイント還元率を、金額に換算して考える

5%OFFの割引と、ポイント還元は、どちらも「お得」に見えますが、割引はその場で支払額が減るのに対し、ポイントは後日の買い物でしか使えないという違いがあります。特に楽天市場の「5と0のつく日」のように上限ポイント数が決まっている施策では、還元される金額を実際に計算してみると、思ったほど大きくないケースもあります。「倍率」の見た目に惑わされず、実際に戻ってくる金額を確認したうえで、無理のない範囲で活用することが大切です。

5. まとめ

年金は偶数月15日に振り込まれ、イオンの「G.G感謝デー」(55歳以上、5%OFF)も毎月15日に実施されているため、両者が重なる月があります。

イトーヨーカドーの「シニアナナコデー」(60歳以上、毎月15日・25日、5%OFF)は系列店限定で、セブン-イレブンでは利用できない点や、楽天市場の「5と0のつく日」(年齢不問、ポイント最大4倍)には月間上限がある点など、制度ごとの条件を正しく理解しておくことが欠かせません。お得な制度を上手に使いながらも、割引やポイント欲しさに予定外の買い物が増えていないか、実際に戻ってくる金額はいくらかを意識して、無理のない範囲で活用することをおすすめします。

参考資料

和田 直子