2. 定年前ラスト10年を「逆算」で考える

50歳代は、ゴールから逆算も可能な年代です。「退職後に毎月いくら足りないか」を先に見積もり、それを残りの現役期間で埋める。この順番で考えると、いま積むべき額が具体的になります。

2.1 ステップ1:退職後の毎月の不足額を見積もる

まず、公的年金の見込み額と、退職後に想定する生活費を並べます。その差額が、毎月「蓄えから補う金額」です。年間に直し、必要な年数分をかければ、目標額の目安が出ます。

金額に驚いても大丈夫です。ここで数字にしておくことが、あわてないための第一歩になります。

2.2 ステップ2:目標額を月々の積立に割り戻す

目標額から現在の蓄えを引き、残りを定年までの月数で割ると、毎月いくら積めばよいかが見えます。預貯金だけでなく、リスクはありますが一部でiDeCoやNISA制度を利用することで、税制の後押しを受けながら効率よく積み増せます。

不足を一気に埋める必要はありません。逆算した月額を、収入の範囲で少しずつ形にしていきましょう。

3. 元証券会社員からのアドバイス

定年前の逆算を、3つの行動に落とし込みます。

一つ目は、退職後の毎月の不足額を試算すること。年金見込みと生活費の差が、逆算の出発点になります。

二つ目は、目標額を定年までの月数で割ること。大きな不足も、月額に直せば手が届く数字に変わります。

三つ目は、生活防衛資金が確保できたら、リスクはありますがiDeCoやNISAの活用を検討すること。税制の後押しがある制度から、無理のない範囲で積み増していきましょう。ただ損をするリスクはあるので、自身のリスク許容度をはかり、納得できる投資をおこなうことが大切です。

宮野 茉莉子

50歳代では「もう遅いのでは」と思う方もいるでしょう。けれど逆算してみると、残り10年でも打てる手は思ったより多いものです。

大切なのは、不足額から目をそらさないこと。金額が見えれば、月々の積立という現実的な行動に変わります。

iDeCoやNISAは、この年代からでも十分に活かせます。税制の後押しを受けられる分、同じ積立でも手元に残る額が変わってきます。

まずは、年金見込みと退職後の生活費を並べて、毎月の不足額を出すところから始めてみてください。逆算は、そこから動き出します。

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逆算は、早く取りかかるほど選べる手が増えていきます。残り10年でも、毎月の一歩を積み重ねれば、十分に間に合う年代です。

大きな数字にひるむ必要はありません。不足額を月々の積立に割り戻して数字にした瞬間から、漠然とした不安は、実行できる計画へと変わっていきます。

残された時間は、まだ十分に活かせます。今日の試算が、これからの10年を変える確かな第一歩になります。

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4. まとめにかえて

50歳代・単身世帯は、平均999万円・中央値120万円でした。数字そのものより、定年までの残り時間からどう逆算するかが、この年代の分かれ目になります。

退職後の不足額を見積もり、それを月々の積立に割り戻す。この2ステップで、漠然とした不安は具体的な計画に変わります。

また、現代では長く働き続ける方も少なくありません。できるだけ長く働き続ける方法や手段を考えてみるのも一つでしょう。選択肢が多いほど、不安は減らすことができるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子