アクセサリー、投資対象、そして中央銀行が保有する準備資産。金(ゴールド)は、さまざまな顔を持つ資産です。

金相場はいま、どのような水準にあるのでしょうか。そして、日本国内で金はどこで採れているのでしょうか。

金相場の現在地は?
  • 現在の金相場は1オンス4437ドル程度(2026年8月31日時点)
  • 史上最高値は2026年1月の1オンス5608ドル台、国内小売は29815円/g
  • 国内唯一の商業金山は鹿児島県の菱刈鉱山

1. 金相場は1オンス4437ドル、史上最高値は5608ドル台

金(ゴールド)の価格は、長期的に見ると右肩上がりです。

Trading Economicsによると、2026年8月31日時点の金の国際価格は1オンス4437ドル程度で推移しています。直近1年間では約27.6%の上昇です。

金相場がもっとも高かったのは2026年1月で、1オンス5608ドル台の史上最高値をつけました。国内の小売価格でも、2026年1月29日に1グラムあたり29815円という過去最高値を記録しています。

田中貴金属工業が公表している金の店頭小売価格(税込)は、同じく2026年8月31日時点で1グラム25417円です。史上最高値からは2割ほど下がっているものの、なお高い水準にあるといえます。

なお、ここで紹介しているのは特定時点の価格です。金の価格は日々変動するため、実際の相場については、取扱事業者や取引所の公表する最新の情報をご確認ください。

2. なぜ金相場は上昇してきたのか

金が長期的に上昇を続けてきた背景には、いくつかの要因が指摘されています。

ひとつは、「有事の金」と呼ばれる性質です。地政学的な緊張が高まったり、金融システムへの不安が生じたりすると、安全資産として金が選ばれる傾向があります。

ふたつめは、インフレへの備えという側面です。通貨の価値が目減りする局面では、実物資産である金が相対的に評価されやすくなります。

みっつめは、供給量の制約です。金は地球上に存在する量が限られており、採掘によって新たに供給される量も年々限られています。需要が増えても、供給を急に増やすことはできません。

よっつめは、各国の中央銀行による購入です。外貨準備の一部として金を保有する動きが続いています。

なお、金は保有していても利息や配当を生みません。値上がり益のみが収益源となる資産です。投資判断は個々の状況によって異なるため、専門家や金融機関にご相談ください。この記事は相場の紹介であり、投資を勧めるものではありません。

3. 日本にも金鉱山がある

価格の話から、産地の話に目を移してみましょう。

日本で有名な金がとれる鉱山は、鹿児島県伊佐市にある住友金属鉱山株式会社の「菱刈鉱山」です。

このほかにもいくつかの鉱山がありますが、商業規模で操業している金の鉱山は、唯一、菱刈鉱山となります。

かつての日本は、佐渡金山や石見銀山に代表されるように、貴金属の産出国として知られていました。佐渡金山は江戸時代から20世紀後半までの約400年間で83トンあまりの金を産出しましたが、1985年に稼働を始めた菱刈鉱山は、約40年で累計約260トンとこれを上回る産出量を記録しています。

菱刈鉱山の特徴は、鉱石に含まれる金の含有量の高さです。海外では鉱石1トンあたり金3グラム程度でも採算が取れるとされるのに対し、菱刈鉱山は1トンあたり20グラム程度と、世界でもトップクラスの高品位を誇ります。確認埋蔵量は約157トン(2021年12月末時点)で、単純計算するとあと25年ほど採掘を続けられる水準です。

4. 金と暮らしの接点

金は、投資対象としてだけでなく、私たちの生活のさまざまな場面で使われています。

  • 宝飾品(結婚指輪、アクセサリー)
  • 電子機器(スマートフォン、パソコンの端子や配線)
  • 歯科材料
  • 産業用の触媒

とくに電子機器での用途は、金の高い導電性と腐食しにくさによるものです。使わなくなった携帯電話やパソコンから金を回収する「都市鉱山」という考え方も、こうした背景から生まれました。

以前ご紹介したリユース市場は3兆1227億円規模でしたが、貴金属の回収・再生もまた資源循環の重要な一部です。

価格が上がれば、リサイクルの経済合理性も高まります。史上最高値という状況は、都市鉱山からの回収を後押しする材料にもなり得ます。

5. 史上最高値をどう受け止めるか

史上最高値という言葉には、ふたつの側面があります。

ひとつは、金の価値が高まっているという見方です。需要の強さや資産としての評価が、価格に反映されているという解釈になります。

もうひとつは、通貨の価値が下がっているという見方です。金の量が変わらないのに交換に必要なドルが増えているのだから、ドルの購買力が落ちているとも言えます。

どちらの見方が正しいということではなく、同じ現象を別の角度から表現しているにすぎません。

いずれにせよ、史上最高値という水準は、それだけ多くの人が金を求めた結果です。世界経済の先行きに対する見方が、この数字に集約されているといえるでしょう。

6. 金にまつわる税制にも留意を

金地金や金貨を売却して利益が出た場合、その利益は課税の対象となることがあります。保有期間や取引の形態によって扱いが変わり、一定額を超える取引には支払調書の提出が必要になる場合もあります。

こうした税制の取り扱いは改正されることがあります。売買を検討する際は、取扱事業者や税務署、税理士など専門の窓口で最新の内容を確認してください。

7. よくある質問

7.1 金相場の現在の価格はいくらですか?

Trading Economicsによると、2026年8月31日時点の国際価格は1オンス4437ドル程度です。国内の小売価格は田中貴金属工業の公表で1グラム25417円(同日時点)となっています。

7.2 金相場の史上最高値はいくらですか?

国際価格では2026年1月に1オンス5608ドル台、国内小売価格では2026年1月29日に1グラム29815円の史上最高値を記録しました。

7.3 金相場が上昇してきた理由は何ですか?

「有事の金」と呼ばれる安全資産としての需要、インフレへの備え、供給量の制約、各国中央銀行による購入などが背景にあると考えられます。

8. まとめにかえて

今回は、金(ゴールド)の相場と国内の産地について確認しました。

  • 現在の金相場は1オンス4437ドル程度(2026年8月31日時点)
  • 史上最高値は2026年1月の1オンス5608ドル台、国内小売は29815円/g
  • 国内で商業規模で操業している金鉱山は鹿児島県の菱刈鉱山のみ

身近な装飾品から国際的な資産まで。金は多面的な顔を持つ存在です。

参考資料

LIMO編集部