総務省統計局の消費者物価指数(東京都区部・2026年8月分の中旬速報値)によると、生鮮食品を除く総合は前年同月比1.8%の上昇でした。物価高が続くなか、50歳代のおひとりさまも「わが家の貯蓄はこれで足りているのか」と不安がよぎる方は少なくないはずです。

50歳代は、定年までの時間がはっきり数えられるようになる年代です。だからこそ、いまの蓄えを「逆算」で点検しておく意味があります。

この記事では、50歳代・単身世帯の平均貯蓄額と中央値を確認し、定年前のラスト10年を逆算で設計する方法を、元証券会社員の視点で読み解きます。

宮野 茉莉子

50歳代の資産形成で考えたいポイントは「あと何年で、いくら足りないか」を先に決める逆算です。ゴールが決まると、月々の一歩が具体的になります。

まずは同世代の数字を、逆算の出発点の参考にしてみましょう。

ココがポイント
  • 50歳代・単身世帯の平均貯蓄額と中央値はいくらか
  • 「500万円未満」がどれくらいいるのか
  • 定年前ラスト10年を逆算で設計する

1. 【50歳代】おひとりさまの貯蓄額の中央値はいくら?平均貯蓄額も

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、50歳代・単身世帯の金融資産保有額は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 50歳代単身世帯の貯蓄額(平均・中央値)

50歳代(単身世帯)の貯蓄額の円グラフ1/1

おひとりさま50歳代の貯蓄額

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)〔単身世帯〕」をもとにLIMO編集部作成

  • 50歳代単身世帯:平均999万円/中央値120万円

平均は999万円、中央値は120万円です。平均と中央値の差が大きく、実感に近いのは中央値のほうです。

1.2 金額帯でみる、50歳代おひとりさまの現実

50歳代の単身世帯では、「500万円未満」(貯蓄なしを含む)の人が63.3%と、6割を超えています。定年が視野に入る年代ですが、多くの人にとって蓄えはこれから、という段階です。

その一方で、「1000万円以上」を持つ人も25.2%と、4人に1人います。同じ50歳代でも、これまでの積み重ねの差が形になって表れています。

宮野 茉莉子
数字はスタート地点にすぎません。大切なのは気付いた時から、行動をはじめること。次のページでは、定年までの残り時間から逆算して、いま何をすべきかをみていきます。