「いまはお金に余裕がないけれど、子どもが独立して住宅ローンを払い終えれば、きっと楽になる」など、少し先の未来に期待をかけている方は多いのではないでしょうか。ところが、その期待とは裏腹の現実が、株式会社トラストの行った「世代別のお金と資産形成に関する実態調査」から見えてきました。
お金の悩みは、年齢を重ねても消えるわけではなく、種類を変えながら続いていく—今回は、世代ごとに移り変わるお金の悩みの実態と、いまからできる備えについて、いっしょに考えていきましょう。
1. この記事を読むとわかる3つのポイント
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お金の悩みは「生活費・物価高」から「教育費・住宅ローン」、そして「老後資金」へと形を変えて連鎖する -
老後資金への不安は20代の25.0%から50代の69.4%へ、約2.8倍に増加(株式会社トラスト調査) -
9割近くが「貯金だけでは将来困る」と自覚。早めに「知る」ことが最大の備えになる
2. 「貯蓄4000万円以上ある世帯」の割合は?平均2059万円と中央値1264万円で差も
まずは全体の平均的な貯蓄額を見ていきましょう。総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、二人以上世帯の貯蓄現在高は、平均で2059万円でした。「そんなにあるの」と驚く方もいるかもしれません。
ただ、この平均には注意が必要です。一部の貯蓄が多い世帯が全体を押し上げるため、平均は実感より高く出やすいのです。実際、貯蓄が平均(2059万円)を下回る世帯は66.1%と約3分の2を占めます。より実感に近いのは、真ん中に位置する中央値の1264万円のほうでしょう。「平均には届いていない」と感じる方が、むしろ多数派だということです。
分布をみると、貯蓄が4000万円以上ある世帯が15.2%いる一方で、100万円未満の世帯も10.1%あります。豊かな世帯と、そうでない世帯とに分かれる「二極化」の傾向がうかがえます。裏を返せば、平均という一つの数字にとらわれず、ご自身がどのあたりに位置するのかを、落ち着いて確かめることが大切だといえます。
年代別の貯蓄額は、20歳代から70歳代の貯蓄額を比較した記事もあわせてご覧いただくと、より自分ごととしてつかみやすくなります。
なお、二人以上世帯のうち勤労者世帯に絞ると平均は1579万円となります。
貯蓄保有世帯の中央値をみると947万円、貯蓄ゼロも含めた世帯の中央値は885万円となります。現役世代の方はこちらの方が実感に近いという方もいるでしょう。
こうした貯蓄の現状を頭に置いたうえで、次は、世代ごとにお金の悩みがどう移り変わっていくのかをみていきましょう。
3. 【お金の悩み】どの世代も1位は「生活費・物価高」。でも2位以下は年代ごとに入れ替わる
金融教育スクール「FEラボ」を運営する株式会社トラストが20代から50代の男女202名に行った「世代別のお金と資産形成に関する実態調査」では、世代別に「お金の悩み」をたずねています(2026年8月6日公表)。
まず目を引くのは、どの世代でも1位が「生活費・物価高」で共通していることです。20代で85.0%、30代で89.7%、40代で75.0%、50代でも69.4%と、物価高の重さは全世代に及んでいます。
一方で、2位以下の顔ぶれは世代ごとに大きく変わります。
20代は「子どもの教育費」や「老後資金」、30代・40代は「老後資金」や「教育費」、そして50代では「健康問題による収入減」が上位に入ってきます。「年をとればお金の心配は減る」と思われがちですが、実際には悩みの種類が入れ替わっていきます。


