4. 未支給年金の請求に必要な書類チェックリスト

未支給年金を請求する際は、「年金受給権者死亡届(報告書)兼未支給年金・未支払給付金請求書」に、以下の書類を添えて提出します。

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未支給年金の請求に必要な書類チェックリスト

出所:日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」をもとにLIMO編集部作成

具体的には、亡くなった方の年金証書、請求する方のマイナンバー確認書類、亡くなった方との続柄がわかる戸籍謄(抄)本、生計を同じくしていたことがわかる住民票の除票等、受け取りを希望する金融機関の口座情報の5点が基本です。

戸籍謄本や住民票は、亡くなった日より後に交付されたものでなければ受け付けてもらえないため、取得するタイミングにも注意しましょう。なお、請求する方が事実婚関係にあった配偶者の場合は、必要書類の一部が異なります。

和田 直子

死亡届が原則不要になったことで、「マイナンバーが登録されていれば年金の手続きは特に何もしなくていい」と誤解してしまう方が少なくありません。しかし、未支給年金の請求書は死亡届とは別の書類であり、こちらは自動的には処理されません。

葬儀や相続の手続きに追われて後回しにされやすい分野だからこそ、死亡届の提出有無にかかわらず、未支給年金の請求は意識的にチェックリストに加えておくことをおすすめします。

5. 見落としやすい3つの注意点

手続きを進める中では、期限や金額の考え方について誤解しやすい点もあります。

5.1 時効の起算日は「死亡日」ではない

未支給年金の請求期限は5年ですが、その起算日は「死亡日」ではなく「受給権者の年金の支払日の翌月の初日」です。年金は偶数月の15日ごろ(前月・前々月分)に支払われるため、実際に時効が完成する日は、死亡日からきっちり5年後にはならないケースがほとんどです。「まだ5年経っていないはず」と自己判断せず、早めに年金事務所へ確認することをおすすめします。

5.2 未支給年金は課税対象になる場合がある

未支給年金を受け取った場合、その金額は受け取った人の一時所得として扱われます。一時所得の合計額が年間50万円以下であれば確定申告は不要ですが、超える場合は申告が必要になることがあるため、詳細は最寄りの税務署に確認しましょう。

5.3 亡くなった方の口座は速やかに解約手続きを

未支給年金の請求をしても、亡くなった方名義の年金受け取り口座を解約していないと、そのまま年金が入金されてしまうことがあります。口座の解約や凍結については、年金の手続きとは別に、金融機関へ相談する必要があります。

和田 直子

インターネット上では「未支給年金の請求期限は死亡日から5年」とシンプルに説明されているケースを目にしますが、正確には年金の支払日を基準に数える仕組みになっています。実務上、この数日から数週間程度のズレが致命的になることはまれですが、「あと少しで5年」というタイミングで請求を検討している場合は、自己判断で計算せず、年金事務所に亡くなった方の基礎年金番号を伝えて、正確な期限を確認してもらうのが安全です。

身近な方の手続きに付き合った経験からも、窓口に電話一本入れるだけで不安が解消されることが多いと感じています。忙しい時期だからこそ、抱え込まずに窓口を頼ってよい手続きだと思います。

6. この後も確認しておきたい遺族向けの給付

未支給年金以外にも、年金を受けていた方の遺族が確認しておきたい給付があります。

生計を同じくしていた遺族の状況によっては、遺族基礎年金や遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金といった給付を受けられる場合があります。これらは未支給年金とは別の制度で、対象者や請求期限もそれぞれ異なります。年金事務所や年金相談センターで、亡くなった方の年金の加入状況に応じてどの給付が対象になるかを確認しておくと安心です。

7. まとめ

年金を受けていた方が亡くなったときは、死亡届の期限(原則10日、国民年金のみは14日以内)と、未支給年金の請求という、2つの手続きを意識しておく必要があります。マイナンバーが登録されていれば死亡届は原則不要ですが、未支給年金の請求は別途行わなければ受け取れません。請求期限は5年あるとはいえ、起算日は死亡日ではなく年金の支払日を基準にするため、早めに年金事務所へ確認し、必要書類を揃えて手続きを進めておくことをおすすめします。

参考資料

和田 直子