4. 【元銀行員の視点】口座の情報が古いままになっていないか
窓口で口座の名義変更や住所変更の手続きを扱っていると、登録情報を更新し忘れているお客さまに何度も出会いました。
4.1 結婚や引っ越しのあと、更新が後回しになりやすい
結婚で名字が変わった、引っ越しで住所が変わった。そうした場面で、口座の名義や住所の変更手続きが後回しになっているケースをよく見かけました。
年金の振込口座がそのまま公金受取口座になるのであれば、その口座の情報が最新であることが前提になります。
4.2 長く使っていない口座は一度確かめておく
金融機関の統合や支店の再編で、口座番号や支店名が変わっている場合があります。年金の受取先にしている口座を長く動かしていない人は、記帳して状態を確かめておくと安心です。
登録して終わりではなく、変わったときに更新する意識が大切です。
5. 意向確認書が届いたら見ておきたい「3つのこと」
封を開けたら、順番に確かめていきましょう。
5.1 返送期限の日付を確かめる
意向確認書には返送期限の目安が記載されています。45日という期間は、この日付で具体的に示されます。まずここを見ます。
5.2 登録される口座がどれかを確かめる
登録の対象になるのは、いま年金が振り込まれている口座です。複数の口座を持っている場合、どの口座が対象なのかを確かめておきます。
5.3 同意するかしないかを決める
同意する場合は何もしません。同意しない場合は不同意申出書を返送します。どちらを選ぶかを決めておけば、期限に追われずに済みます。
判断に迷う場合は、ねんきんダイヤルや年金事務所に問い合わせて確かめてください。
6. この制度で気をつけたいこと
便利になる面がある一方で、注意しておきたい点もあります。
6.1 何もしないと登録が進む
多くの手続きは「出さないと進まない」形ですが、この制度は逆です。返送しなければ同意として扱われます。
内容を確かめないまま置いてしまうと、自分が選んだつもりのないまま登録が進むことになります。封書は届いた日に開けておくほうが安全です。
6.2 公金受取口座は1人1口座で本人名義に限られる
デジタル庁によると、公金受取口座として登録できるのは1人につき1口座、本人名義の預貯金口座に限られます。家族名義の口座は登録できません。
また登録されるのは振込に必要な情報のみで、預貯金の残高情報などは登録されません。この点は制度上区別されています。
7. まず封書を開けて期限を確かめる
「給付付き税額控除」は令和11年4月の本格導入に向けて、9月の大綱決定と国会審議が控えています。給付額や対象になる所得の水準は、まだ決まっていません。
一方で受け取る側の準備は動いています。年金を受給している人には8月頃から意向確認書が簡易書留で届き、45日以内に返送がなければ同意として扱われます。
同意するかしないかは自分で選べます。制度の内容や自分が対象になるかで分からない点があれば、ねんきんダイヤルや年金事務所、公金受取口座についてはマイナンバー総合フリーダイヤルに相談して確かめてください。
参考資料
- 日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書の送付」
- 首相官邸「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針の閣議決定についての会見」
- 首相官邸「『飲食料品に係る消費税率の引下げ』及び『給付付き税額控除』についての会見」
- デジタル庁「公金受取口座登録制度」
- LIMO「【年金】8月から送付開始「意向確認書」の簡易書留《届く人・届かない人》の条件とは?公金受取口座の登録手続きと注意点を解説 市区町村窓口では対応不可。便乗詐欺には要注意」
- LIMO「【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール」
中本 智恵