3. 【元銀行員の視点】通帳に並ぶ厚生年金と基礎年金、額面と手取りの差
銀行員だった頃、年金の受取口座を担当する立場から、通帳の振込記録を見る機会が数多くありました。
3.1 老齢基礎年金と老齢厚生年金は合算されて振り込まれる
実際には、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々の入金ではなく、合算されて1回の振込として通帳に記帳されます。ただし、ねんきん定期便や年金振込通知書には、基礎年金と厚生年金の内訳がそれぞれ記載されています。
厚生年金と国民年金の違いがよく分からないという声を、雑談の中で聞くこともありました。
3.2 額面と手取りには差がある
振込通知書に記された金額は額面であり、そこから所得税や住民税、介護保険料などが差し引かれた金額が実際の手取り額になります。
窓口で通帳の振込額を確認される方の中には、額面の数字だけを見て「思っていたより多い」あるいは「少ない」と感じる方もいらっしゃいました。額面と手取りは別物であるという点は、意外と見落とされがちです。
転職や退職で厚生年金の加入期間が途切れ、想定より通帳の振込額が少なかったという声を聞いたこともあります。加入期間の長さは、額面にも手取りにも直結します。
4. ねんきん定期便・ねんきんネットで厚生年金の見込み額を確かめる
平均額や「20万円」という数字だけでは、ご自身の受給額を正確に把握することはできません。
4.1 毎年届くねんきん定期便で見込み額を確認する
50歳代以上の方に届くねんきん定期便には、60歳まで加入を続けた場合の年金見込み額が記載されています。窓口では、この見込み額が思っていたより少ないと驚かれる方に出会うこともありました。
4.2 ねんきんネットならいつでも試算できる
日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、働き方を変えた場合の見込み額を試算することもできます。
5. 【落とし穴】厚生年金の平均や「20万円」という数字だけで安心・不安になりすぎない
最後に、平均額を見るときに注意しておきたい点を整理します。
5.1 平均はメリットだけを映す数字ではない
平均月額15万289円という数字は、あくまで全体をならした値です。実際には加入期間や標準報酬額によって受給額に大きな差があり、平均を下回っていても不安になりすぎる必要はありません。反対に、平均を上回っていても、そこから税や社会保険料が差し引かれる点は変わりません。
5.2 不安なときは年金事務所や街角の年金相談センターに相談する
見込み額や制度の詳しい内容について不安がある場合は、年金事務所や街角の年金相談センターに相談することをお勧めします。ご自身の記録に基づいた説明を受けられます。
実際の生活費を考えるうえで大切なのは、税金や社会保険料が引かれたあとの手取り額です。
平均月額や「20万円」という数字は、あくまで全体の傾向を示す目安にすぎません。ご自身の見込み額と実際の手取り額の両方を確認したうえで、老後の生活設計を考えていただければと思います。
分からないことがあれば、ねんきん定期便やねんきんネットで確認し、それでも不安が残る場合は年金事務所などの窓口に相談してみてください。
6. 厚生年金の平均額は目安、確かめるのはご自身の記録
厚生年金の平均月額や「月20万円」という数字は、あくまで全体の傾向を示す目安です。
老齢厚生年金の平均月額は15万289円で、月20万円以上を受け取る人は全体の2割に届きません。この数字の背景には、老齢基礎年金の受給が始まっているかどうかという違いがあります。
ご自身の受給額を正確に知るには、ねんきん定期便やねんきんネットで確認し、不安な点は年金事務所などの窓口に相談することをお勧めします。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月公表)
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
- 【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
- 【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
中本 智恵

