「厚生年金だけで、老後の生活費はどれくらいカバーできるのか」と気になったことはありませんか。
平均額だけを見ると「月15万円台」というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、実際の受給額には大きな個人差があります。
驚くべきことに、生活費の目安とされる「月20万円以上」を受け取っている人よりも、「月10万円未満」の人の方が多いというデータもあります。
本記事では、厚生労働省の最新データをもとに、厚生年金の受給額分布のリアルな実態を確認します。
さらに、まだ老後資金づくりに着手していない、あるいは漠然と貯蓄を続けているという現役世代の方に向けて、ファイナンシャルプランナー(FP)が今からできる老後資金づくりのステップを解説します。
この記事の3つのポイント
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厚生年金は「月10万円未満」が19.0%で「月20万円以上」を上回る -
受給者の8割以上が月20万円未満という受給額の実態 -
ねんきん定期便の定期チェックが老後資金づくりの土台になる
厚生年金「月10万円未満」と「月20万円以上」、実際に多いのはどちら?
厚生年金(国民年金を含む)の受給額分布を詳しく見ると、意外な事実が浮かび上がります。
生活費の目安となる「月20万円以上」を受給する人よりも、実は「月10万円未満」の人の方が多いのが実情です。
※この記事で紹介するのは、会社員など民間の事業所で雇用されていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の、国民年金の月額部分を含む年金額です。
受給額分布の対比(厚生年金・男女全体)
- 月額10万円未満:19.0%(おおよそ5人に1人)
- 月額20万円以上:18.8%(おおよそ5人に1人)
見えてくるのは、「思っていたよりも厳しい」という現実です。厚生年金(国民年金を含む)の受給額を細かく確認すると、ゆとりある生活の目安とされることの多い「月20万円以上」よりも、「月10万円に届かない」層のほうが多く存在するという結果が出ています。
数字だけを見れば大きな差ではありません。19.0%対18.8%とほぼ同水準ですが、それでも「低い側」の割合が「高い側」を上回っているという事実は見過ごせません。しかも、ここには国民年金のみの受給者は含まれていないため、対象を広げればこの差はより顕著になるとみられます。
平均月額が15万円台という数字だけを見ると、ある程度余裕があるように感じるかもしれません。しかし実態としては、受給者の8割超が「月20万円未満」に収まっており、金額のばらつきはかなり大きいのです。だからこそ、公的年金に上乗せする形での自助努力が欠かせないというわけです。
「年金生活が始まってから、思っていた額よりずっと少なかった」と焦らないためにも、現役のうちに自分自身がいくら受け取れるのかを、楽観的にではなく厳しめに見積もっておくことが賢明です。年金だけをあてにするのではなく、iDeCoやNISAといった制度も取り入れながら、早めに「もう一つの年金」を育てておくことが、老後の安心につながります。
とはいえ、「何をどう始めればいいのかわからない」という方も多いはずです。次の章では、FPの立場から、老後資金づくりに向けた具体的な取り組み方を紹介していきます。
