NTT(9432)の株価は2026年8月19日、前日比▲1円(▲0.62%)安の159.4円で取引を終えました。

下落率は小幅にとどまった一方、終値は1週間ぶりに心理的な節目である160円台を割り込む形となりました。

同日の東京市場は、前日18日の米国市場で半導体株を中心にハイテク株が大きく売られた流れを引き継ぎ、AI・半導体関連株を軸に全面安の展開となりました。

日経平均株価は前日比2,134円31銭安(▲3.16%)の6万5,326円42銭と大幅続落。

半導体関連の構成比率が高い韓国のKOSPI(総合株価指数)も▲5.80%の大幅安で取引を終えています。

国内でも半導体関連株を中心に大きく値を下げ、キオクシアホールディングス(285A)は▲12.60%の4万9,950円、データセンター向け光ファイバーなどを手掛けるフジクラ(5803)も▲9.73%の5,328円で取引を終えました。

半導体株を中心に市場全体が売られるなか、NTTの下落率が1%に届かなかったことは、「有事のNTT」ともいえるディフェンシブ銘柄としての底堅さを映し出す結果になったといえそうです。

記事後半では、自社株買いの進捗状況と、株主優待として実施されている「dポイント」の受け取り条件について詳しく解説します。

1. 増収増益で営業収益は四半期として過去最高を更新

NTTは6日、2026年度第1四半期(2026年4〜6月期)の連結決算を発表しました。営業収益は3兆6,177億円(前年同期比+10.9%)で、四半期として過去最高を更新。営業利益は4,251億円(+4.9%)、当期利益は2,748億円(+5.8%)と、増収増益の内容でした。

セグメント別では、データセンターやITサービスを担うグローバル・ソリューション事業が営業収益を+1,746億円押し上げ、総合ICT事業も+1,269億円の伸びとなり、この2事業が増収をけん引しています。

1.1 生活密着型の通信インフラが支える安定的な収益基盤

一方、NTT東日本・NTT西日本などが担う地域通信事業は営業収益+58億円と伸びは小幅ながら、固定電話やブロードバンドといった生活に不可欠な通信インフラからの収入が中心のため、業績の振れが小さいという特徴があります。こうした安定的な収益基盤を持つ通信株は、相場全体が荒れた際に資金の避難先として選ばれやすい「ディフェンシブ銘柄」の代表格に位置づけられることが多く、19日の値動きにもその一端が表れたとみられます。

2. 決算発表後に160円台回復も、19日は1週間ぶり節目割れ

6日の決算発表を境に株価が上昇に転じ、13日には終値160.5円で7月29日以来となる160円台を回復しました。翌8月14日には162.7円まで値を上げ、これが直近のピークとなっています。しかしその後は17日に161.5円、18日に160.4円と2営業日続けて値を消し、19日には159.4円まで下落して再び160円を割り込む結果となりました。

決算発表という好材料を受けて一度は節目を回復したものの、その後の半導体株安を中心とした市場全体の売り圧力に押され、上値を維持できなかった格好です。ただし冒頭で見た通り、この間のNTTの下落率は市場全体の下落率と比べると小幅にとどまっており、下がりはしたものの崩れ方は緩やかでした。

NTT株の12カ月チャート1/1

NTT株の12カ月チャート

出所:各データより筆者作成