9月になると、日本年金機構から緑色の封筒が届くことがあります。「見慣れない封筒だけど、何だろう」と戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

この封筒に入っているのは、年金に上乗せして受け取れる「年金生活者支援給付金」の請求書です。所得が一定基準以下の方を対象に、公的年金とは別に支給される制度で、対象になっていることに気づかず届いた書類を後回しにしてしまうと、本来受け取れるはずの給付金を受け取れなくなってしまうこともあります。

本記事では、この緑色の封筒の正体から、年金生活者支援給付金の対象となる条件、実際の給付額や手続きの流れまで詳しく解説していきます。

この記事の3つのポイント

  •  9月に届く緑色の封筒は年金生活者支援給付金の請求書
  •  対象は老齢・障害・遺族の3種類、所得要件はそれぞれ異なる
  •  平均受給額は老齢約4146円、障害約5727円、遺族約5228円

9月に届く「緑色の封筒」は年金生活者支援給付金の請求書

すでに老齢基礎年金などを受け取っている方のうち、所得の変動によって新たに年金生活者支援給付金の対象となった方には、毎年9月1日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が緑色の封筒で郵送されます。

令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)2/9

令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:日本年金機構「令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」

はがきに必要事項を記入し、同封されている目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで、切手を貼ってポストに投函すれば手続きは完了します。

※支給要件に該当するかがすぐに確認できない方には、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」と、所得情報を確認するための「所得状況届」が送付されます。

なお、2025年1月以降に65歳になり、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は、郵送に代えて電子申請を利用することもできます。電子申請で提出した場合、郵送での提出は不要です。

和田直子
緑色の封筒が届くのは、すでに基礎年金を受け取っている方が新たに対象になったケースです。一方、これから老齢基礎年金を新規に請求する方については、請求のタイミングで年金生活者支援給付金の要件を満たしていれば、年金請求書にあらかじめ給付金の請求書が同封されているため、年金の請求と同時に申請することができます。

これに対して、障害年金や遺族年金を新たに受け取ることになる方は、基礎年金の新規裁定のタイミングで、年金生活者支援給付金についても自分で申請の手続きを行う必要があります。同じ「新規に年金を受け取り始める」という状況でも、年金の種類によって手続きの流れが異なる点には注意しておきたいところです。

では、どんな人が対象?【種類別】年金生活者支援給付金の支給要件

年金生活者支援給付金は、「老齢」「障害」「遺族」の3種類に分かれ、それぞれ支給要件が異なります。

老齢年金生活者支援給付金の対象となる条件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件3/9

支給要件

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、次の要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

障害年金生活者支援給付金の対象となる条件

障害基礎年金を受給されている方へ4/9

障害基礎年金を受給されている方へ

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

次の要件をすべて満たす場合、障害年金生活者支援給付金の対象となります。

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

遺族年金生活者支援給付金の対象となる条件

遺族基礎年金を受給されている方へ5/9

遺族基礎年金を受給されている方へ

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

次の要件をすべて満たす場合、遺族年金生活者支援給付金の対象となります。

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

給付額(基準額)はいくら?

年金生活者支援給付金の給付額は毎年度見直され、2026年度(令和8年度)は前年度から3.2%引き上げられています。

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円

老齢年金生活者支援給付金は、この基準額をもとに、保険料の納付済期間などを反映して実際の給付額が決まります。

参考:老齢年金生活者支援給付金 保険料納付状況別の給付額目安表

老齢年金生活者支援給付金 保険料納付状況別の給付額目安表6/9

老齢年金生活者支援給付金 保険料納付状況別の給付額目安表

LIMO編集部作成