2. 2027年先行スタート!「給付付き税額控除」2つの導入スケジュール

こうした教育費負担を和らげる一助として期待されているのが、新しい経済支援制度「給付付き税額控除」です。

今回、本格導入が決まった「給付付き税額控除」について基本概要やしくみをまとめた記事も合わせてごらんください。

令和9年度と令和11年度、それぞれの「所得に連動したきめ細やかな給付の導入」2/2

令和9年度と令和11年度、それぞれの「所得に連動したきめ細やかな給付の導入」

出所:内閣官房「社会保障国民会議「給付付き税額控除」のイメージ(中間とりまとめ) 」

始まる時期によって対象となる子どもの年齢が異なりますので、全体の流れを把握しておきましょう。

  • 先行導入(2027年4月から2年間):15歳以下の子どもがいる世帯が対象
  • 本格導入(2029年から):18歳以下の子どもがいる世帯が対象

現在15歳以下の子どもがいるご家庭は、本格導入より2年早く支援を受けられる可能性があります。一方で高校生年代(16〜18歳)の子どもがいるご家庭は、2029年の本格導入を待つ形になります。

2.1 いくらもらえる?所得に応じた「3つの給付パターン」

「所得に連動したきめ細かな給付」の本格導入のイメージ(中間とりまとめ(案) )

「所得に連動したきめ細かな給付」の本格導入のイメージ(中間とりまとめ(案) )

出所:内閣官房「社会保障国民会議「給付付き税額控除」のイメージ(中間とりまとめ) 」

これまでの支援策は全員に同額を届ける一律給付が主流でしたが、今回の制度は世帯の所得に応じて継続的に調整される仕組みです。

  • 低所得期:働くほど給付額が増える(逓増:ていぞう=少しずつ増える仕組み)
  • 中所得期:一定額を安定して受け取れる(定額)
  • 高所得期:所得が増えるほど徐々に減り、やがてなくなる(逓減・消失:ていげん=少しずつ減る仕組み)

一時的な給付にとどまらず、サポートが必要なご家庭の就労と収入アップを継続的に後押しする工夫が施されています。

3. 子ども1人ごとに上乗せ!「子ども加算」の注意点

子育て世帯にとって心強いのが、子どもの人数に応じて支援が上乗せされる「子ども加算」です。成長に伴って増える食費や教育費を支えるため、対象となる子どもの人数分が毎年加算されます。

注意したいのは世帯全体の収入条件です。パートなどで働くご自身の収入が控えめであっても、配偶者の収入が非常に高い場合は対象外となる例外規定が設けられています。限られた社会的な財源を、より支援を必要とする世帯へ優先的に届けるための工夫ですが、我が家が対象になるかどうか事前の確認をおすすめします。

3.1 FPが提案!手取りが増えたら実践したい2つの家計防衛術

村岸理美

支援制度によって手取りが増えた際、生活費にそのまま混ぜてしまうと自然と使い切ってしまうことが少なくありません。大切な資金を着実に活かす2つの方法をご提案します。

①「先取り貯蓄」で別口座へ隔離する

給付が入金されたら生活費口座に置いたままにせず、教育資金用の専用口座へすぐに移動させます。最初から見えないお金として扱うことで、無理なく確実に貯められます。

②一部を「新NISA」で長期運用に回す

10年以上使う予定のない資金であれば、新NISAの「つみたて投資枠」を活用して毎月少額から運用に回すのも一つの方法です。時間を味方につけることで、教育資金の準備をより強固にできます。

4. まとめにかえて

今回は、最新の子どもの学習費データと2027年から始まる「給付付き税額控除」の仕組みについて解説しました。私立と公立では15年間の教育費に大きな差が生じるからこそ、新しく始まる支援策の導入スケジュールを正しく把握しておくことが大切です。

日々のFP相談でも、教育費のピーク時に家計のマイナスが続いて苦しむご家庭を数多く見てきました。まずはご自身のお子さまが先行導入の対象になるかを確認し、少しでも手取りが増えたら先取り貯蓄などに回して、ご家族の将来の選択肢を広げていきましょう。

村岸理美

子育て世帯にとって教育費の負担は非常に重く、新しい「給付付き税額控除」は家計の助けとなる期待のもてる制度です。

しかし、世帯年収や子どもの年齢によって給付のタイミングや金額が変わるため、制度に頼りきらずに自分たちで備える姿勢も欠かせません。今回紹介した先取り貯蓄などを習慣化し、長期的な視点で家計を管理していくとよいでしょう。

参考資料

村岸 理美