10月15日は秋の年金支給日です。社会保険の適用拡大や次期年金制度改正の動向など、年金に関するニュースに注目が集まるなか、「自分は将来、実際にいくら受け取れるのだろう」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

日本の公的年金制度は、1階部分の「国民年金(基礎年金)」と2階部分の「厚生年金」からなる「2階建て」の構造です。

日本の公的年金制度は「2階建て」1/4

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

しかし、ゆとりある老後のひとつの目安とされがちな「月額20万円」を手にするのは、想像以上にハードルが高いのが現実です。

今回は、厚生労働省の最新データから年金受給額のリアルな実態を紐解きます。さらに、2026年8月7日に最新の運用状況が公表された「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」の運用手法から、私たち個人が老後資金作りに活かせる「3つの備えのコツ」をFPの視点から解説します。

ココがポイント
  • 公的年金の平均受給額(厚生年金15万円台・国民年金5万円台)と月20万円以上の割合
  • 2026年8月公表の最新データに基づくGPIFの運用実績(累積収益221兆円超)
  • FP・FAが解説する、初心者も真似できるGPIF式の「4つの資産分散」と3つの原則

1. 【年金の現実】平均月額は厚生年金15万円台・国民年金5万円台。「月20万円以上」は18.8%

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、公的年金(厚生年金・国民年金)の平均年金月額、および年金月額分布を見ていきます。

厚生年金・国民年金の平均月額(2024年度末現在)2/4

厚生年金・国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

1.1 平均年金月額

厚生年金

  • 男女全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

※厚生年金の月額には国民年金の月額部分が含まれています。また、ここでは、会社員など民間の事業所で雇用されていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の年金月額を紹介しています。

国民年金

  • 男女全体:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

1.2 月額20万円以上を受け取っている人の割合は?

厚生年金の受給額ごとの受給権者数3/4

厚生年金の受給額ごとの受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

厚生年金の受給額ごとの分布を確認すると、月額20万円以上を受給している人は、厚生年金受給者全体のわずか18.8%にとどまります。会社員経験のない国民年金のみの受給者も含めれば、月20万円を超える方の割合はさらに低くなるのが実情です。

現役時代の収入や加入期間によって個人差は大きく、「公的年金だけで老後のすべての生活費を賄う」のは決して容易ではありません。だからこそ、公的年金を生活の基盤となる大切な土台としつつ、不足する部分を自助努力で補う「自分自身の備え」が必要になってきます。