3. 国民年金・厚生年金、退職後の生活を支える年金はいくら?
3.1 厚生年金の男女別平均月額
教員も現役時代は厚生年金(旧共済年金は2015年に厚生年金へ一元化)に加入しており、退職後は老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け取ります。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額(老齢基礎年金を含む)は次のとおりです。
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
3.2 国民年金の男女別平均月額
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
2026年度の老齢基礎年金の満額は月7万608円(昭和31年4月2日以降生まれ)、昭和31年4月1日以前生まれは月7万408円です。教員の場合、加入期間が長く給与水準も安定しているため、平均を上回る受給額になるケースが多い印象です。
4. 【FPからのアドバイス】老後に向けた3つの準備術
4.1 退職金の見込み額は在職中に確認する
教員の退職手当は自治体の条例で決まりますが、詳細な計算式と現時点の見込み額は勤務先の人事担当部署で確認できます。40代・50代のうちに一度は退職手当の見込みを試算しておくと、老後資金設計の全体像が描きやすくなります。
4.2 手厚い水準にも死角はある
教員の退職手当は民間より手厚い水準ですが、住宅ローンや教育費のピーク時期と重なる中途退職では、想定より少ない金額しか受け取れません。定年前の早期退職を検討する際は、退職手当の減額幅と、その後の年金受給までの生活費をあわせて試算する必要があります。
4.3 退職金だけに頼らないマネー設計を
2000万円を超える退職手当は大きな金額ですが、定年後30年の暮らしを支えるには、公的年金と組み合わせた計画が欠かせません。iDeCo(イデコ)は公務員も加入できるようになっており、掛金の所得控除メリットを活かして老後資産を上乗せしていく方法があります。NISAは運用益が非課税になる制度で、退職手当を一括で受け取ったあとの運用先としても検討候補になります。
5. まとめにかえて
今回は、公立学校の先生(地方公務員)の退職金について解説しました。全国平均で約2295万円という手厚い水準ですが、勤続年数や退職事由により金額は大きく変動するため、早めの情報収集が安心につながります。
日々の業務に追われる先生方こそ、少し立ち止まってご自身の未来を考える時間を作ってほしいと感じます。安心できる老後があれば、目の前の子どもたちにもさらに穏やかな笑顔で向き合えるのではないでしょうか。
参考資料
- 総務省「地方公務員給与の実態(令和6年)」
- 内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況(令和6年度)」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」
徳田 椋


