7. 監修者コメント:「自分は対象外」という思い込みが、いちばんの取りこぼしにつながる
実際の判定には世帯全員の課税状況が関わってきますので、単身か同居かによっても結論が変わってきます。
もうひとつ気をつけたいのが、所得の基準をわずかに超えているケースです。老齢の場合、80万9000円を1円でも超えたら給付がゼロになるわけではなく、90万9000円以下であれば「補足的老齢年金生活者支援給付金」という減額されたかたちの給付が用意されています。基準に近いところにいる方ほど、あきらめずに確認していただきたいところです。
7.1 【シミュレーション】国民年金の平均的な受給者は、所得基準までどれくらい余裕がある?
記事本文で確認した国民年金の平均月額をもとに、老齢年金生活者支援給付金の所得基準までどの程度の余裕があるのかを試算してみましょう。年金以外の収入がない場合を前提とした、単純計算による目安です。
- 国民年金の平均年金月額:5万9310円
- 年額に換算すると:5万9310円×12カ月=71万1720円
- 老齢年金生活者支援給付金の所得基準:80万9000円以下(昭和31年4月2日以後生まれの場合)
- 基準までの余裕:80万9000円-71万1720円=約9万7280円(月あたり約8106円)
国民年金のみを平均的な水準で受給している場合、所得基準までにおよそ9万7000円の余裕がある計算になります。言い換えれば、その他の所得が月8000円程度までであれば、金額の面では基準に収まる可能性があるということです。ただし、これは所得の基準だけを見た試算にすぎません。実際には「世帯全員が市町村民税非課税であること」という条件も同時に満たす必要があります。
なお、ここで用いた5万9310円はあくまで全体の平均値です。保険料の納付済期間によってご自身の受給額は変わりますので、正確な判定については年金事務所やねんきんダイヤルでご確認ください。
8. まとめ
今回は、年金生活者支援給付金について、その種類や支給要件、具体的な金額や手続き方法を解説しました。
老齢・障害・遺族の3つの基礎年金それぞれに支援給付金があり、所得などの要件を満たす場合に年金へ上乗せして支給されます。
手続きは、対象となる方に日本年金機構から案内が届く仕組みになっているため、見逃さないようにすることが大切です。
ご自身が対象かもしれないと感じた場合は、届く郵便物に注意を払ってみてはいかがでしょうか。
老後の生活資金については、さまざまな制度が用意されています。
こうした情報を知っておくことが、将来の安心につながる第一歩です。
これからもご自身の状況に合った情報を集め、豊かなセカンドライフの準備を進めていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)送付用封筒」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎えた方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
- LIMO「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説 【元厚労省担当記者監修】支給要件の3条件、給付基準額の計算、申請方法から支給日(振込スケジュール)まで、手続きの落とし穴を完全網羅」
- LIMO「【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説」
鶴田 綾
