(ケース2)保有銘柄上位がベンチマークとほとんど一緒
日本株の大型株アクティブファンドに見られるダメな投資信託に見られるのが、上位の保有銘柄がTOPIXなどの時価総額が大きな銘柄の顔ぶれとほとんど変わらない投資信託です。
皆さんもご自身が保有する投資信託のトップ10を見てみてください。トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソフトバンク…こうした銘柄が並んでいないでしょうか。
こうした時価総額の大きな銘柄を組み入れられるべきではないとは言っていません。ただ、こうした銘柄であれば、ネット証券を活用すればすぐに投資できますし、あえて投資信託で持つべき銘柄という話ではありません。
もっとも、運用しているファンドマネージャーは、ベンチマークの比率に対してオーバーウェート(O/W)、アンダーウェート(U/W)、ひいてはセクターに対してO/W、U/Wの調整をしているので、結果としてベンチマークを意識した保有銘柄となってしまうのです。
もっともベンチマークがある投資信託のファンドマネージャーのパフォーマンスの評価はベンチマークに対して行われるので、ベンチマークの銘柄ウェートを意識せざるを得ません。
ただ、それでも上位保有銘柄を見て顧客に「ベンチマークと同じゃないか!」といわれないようにするために、期末にイケてそうな中小型株を購入して、「ちゃんとボトムアップで面白い銘柄を入れていますよ」と見せるような工夫もしているケースもあります。これを「ウィンドウドレッシング」と業界ではよんでいます。