銀行は絶対に教えない、ダメな投資信託の見分け方

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(ケース4)純資産(AUM)が極端に大きすぎるファンド

個人投資家からすると「運用資産が大きいと安心」みたいな感覚もありますが、運用者からすると全く逆です。

いわゆる「大きすぎて動けない」という状況に陥ります。売買でいうと「自分で買い上げて、自分で売り下げる」という状況も発生しますし、先ほども触れましたが、どんなに面白い小型株があっても、流動性を考えると手を出しにくいということもあります。

たとえば、運用資産(Asset Under Management, AUM)が5000億円のファンドがあったとしましょう。このファンドで、時価総額が500億円の勢いのある新興企業に投資をしたいとします。

このファンドでそこそこインパクトある比率をまず議論しないといけませんが、仮にこのファンドで50銘柄を保有していたとすると1銘柄当たりの金額は100億円です。また、100銘柄を保有していたとすると1銘柄当たりの金額は50億円となります。

仮に50億円程度、つまりはファンドの1%はないとポートフォリオにインパクトがないとしましょう。その時には、会社の発行済株式数の10%を保有しないといけなくなります。本当に買い付ければこの時点で大量保有報告書を提出しなければならないレベルです。

また、このような銘柄は流動性を気にしなければなりませんので、いきなり10%のポジションも作れませんし、会社の様子がおかしくなったら売却をしないといけないことを考えると、簡単に手が出ないことがお分りでしょう。

つまり、大きいことは良いことではありません。ファンドマネージャーの投資アイデアをそのままファンドに組み入れることができない可能性を残念ながら残してしまいます。

ですので、誠実な運用会社は募集を途中で中断をしたりする行動をします。そうしたファンドはもっと評価されてもよいと思います。

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慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄といった個人の資産運用(パーソナルファイナンス)を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。