3. 「静かな退職」が起こる理由
静かな退職を選択する理由は年代によって、また人によって異なりますが、前述の株式会社スコラ・コンサルトの調査によると、従業員のやる気が下がった理由は以下の通りです。
()内は複数回答で回答者の全体に占める割合です。
- 頑張りに対する評価や報酬が見合わない(41.1%)
- 会社の体質や企業風土に不満がある(40.0%)
- 昇給・昇進がほとんど期待できない(38.7%)
- 会社や職場の問題がなかなか改善されない(34.4%)
- 業務量が多すぎた、ノルマやプレッシャーに疲れた(32.0%)
- 上司に不満がある(31.2%)
上記理由などにより仕事に対する熱意を失い、転職または静かな退職を選択する人が一定数いると考えられます。また、会社に対する不満だけでなく、以下の仕事に対する価値観の変化なども一因と考えていいでしょう。
- ワークライフバランス、または家庭生活を優先した働き方を希望する人が増えている
- 終身雇用制度が崩れつつあり、将来の雇用やキャリアに不安感が広がっている
- 過労死やメンタルヘルス問題などに対する意識が高まった
- 日本経済の低迷によって賃金上昇率が低下している
- 若い世代に「タイパ」や「コスパ」を重視する考え方が広まっている など
ここまで、静かな退職が増えている状況やその理由、背景などについて解説しました。
次章では、会社への不満の1つである給与の状況と、静かな退職によるデメリットについて解説します。