年の瀬が近づく12月は、何かと出費がかさみ、家計のやりくりや来年の税金のことが気になり始める時期です。物価高が続く中で、「少しでも負担が軽くならないだろうか」と、政府の経済対策や新しい支援制度に目を向けている人も多いのではないでしょうか。

そんな中で話題になっているのが、高市総理が導入を目指している「給付付き税額控除」です。

この制度は、税金を減らす「税額控除」に、条件を満たした人へ現金を支給する「給付」を組み合わせたもの。低所得層だけでなく、これまで支援の対象になりにくかった層も含め、幅広い人を支える仕組みとして検討されています。年末のニュースや予算編成の報道で名前を聞いたものの、「結局どんな制度なの?」と感じている人も少なくないはずです。

この記事では、高市総理が導入を目指す「給付付き税額控除」の仕組みや目的、所得に応じた支援内容について、わかりやすく解説していきます。

1. 高市総理が導入を目指す「給付付き税額控除」とはどのような制度か

高市総理は2025年10月24日の所信表明演説において、「給付付き税額控除」の制度設計を速やかに開始する意向を示しました。

この演説では、夏の参議院議員選挙で自由民主党が公約に掲げた一律の現金給付は実施しない方針も、あらためて表明されています。

首相官邸の公式サイトで公開されている「第219回国会における高市内閣総理大臣所信表明演説」によると、総理は「この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応」であり、「実質賃金の継続的上昇が定着するまでには、一定の時間を要する」と述べています。

さらに「税・社会保険料負担で苦しむ中・低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えるようにしなければならない」と語り、恒久的で公平な対策として「給付付き税額控除」の導入を急ぐ考えを明らかにしました。

このことから、高市内閣が目指すのは一時的な対策ではなく、国民の生活を根本から支えるための仕組み作りであることがうかがえます。

では、高市総理が導入に意欲を見せる「給付付き税額控除」は、具体的にどのような制度で、誰がどのような恩恵を受けられるのでしょうか。