6. 離婚後の年金に備えるには「制度の理解と早めの行動」がカギ

今回は、離婚後の年金に大きな影響を与える「年金分割制度」について解説しました。

まとめると、

  • 年金分割は請求しないと適用されず、2年以内の手続きが必要
  • 合意分割・3号分割いずれも将来の年金額に影響する
  • 月額3万円以上増減するケースもあり、制度の理解が重要

離婚をきっかけに、年金という人生の基盤を見直すことは、今後の暮らしの安心につながります。自分にとって何ができるかを早めに考えておきましょう。

また、年金分割までの流れについては、まず「情報通知書」を請求して、年金記録の内容を確認します。その後、夫婦で分割割合を話し合って合意し、年金事務所に分割の請求を行います(合意できない場合は家庭裁判所に調停を申し立てます)。

請求が受理されると「標準報酬改定通知書」が届き、それにより将来の年金額が変更されます。ただし、手続きをしなければ記録は変更されないため、離婚から2年以内に請求する必要があります。

不明な点がある場合は、お近くの年金事務所や年金相談センターに問い合わせましょう。

参考資料

村岸 理美