「ヤフーの給料は実際どのくらいなのか」と気になっていませんか。
かつて国内最大級のポータルサイトを展開していたヤフー株式会社は、2023年10月にLINE株式会社やZホールディングス株式会社等との経営統合により、現在はLINEヤフー株式会社として事業を続けています。
単純な社名変更ではなく法人格そのものが変わっているため、過去の年収データとの単純比較はできない点に注意が必要です。
本記事では、LINEヤフー株式会社の最新の有価証券報告書に基づき、平均年間給与や従業員数、直近5年間の業績推移まで、公式データをもとに詳しく解説します。
就職や転職を検討する際の参考情報として、また株式投資の判断材料としてもお役立てください。
- 平均年間給与902万円だが、法人格自体が別会社に:LINEヤフー株式会社(提出会社単体)の平均年間給与は902万円。ただし2023年10月の経営統合により旧ヤフー株式会社とは別の法人となっているため、過去の数値との単純比較はできない。
- 連結従業員数は2万9863名、メディア・コマース・戦略事業の3事業を展開:合併後の従業員数は臨時雇用者を含め約3万名規模で推移している。
- 2026年3月期は売上収益・営業利益とも過去最高を更新:経営統合直後の一時的な減益を経て、直近では業績が回復・拡大している。
1. LINEヤフー(旧ヤフー)の平均年間給与はいくらか
LINEヤフー株式会社(提出会社単体)の2026年3月31日時点での平均年間給与は902万円です。
平均年齢は39.0歳、平均勤続年数は9.6年となっています。
ここで注意したいのは、この数値がかつての「ヤフー株式会社」単体の数値ではないという点です。
2023年10月1日、ヤフー株式会社はLINE株式会社やZホールディングス株式会社等との間で吸収合併・会社分割等を伴うグループ内再編を行い、現在の「LINEヤフー株式会社」として存続しています。
つまり、ヤフー単体としての法人はすでに消滅しており、現在の平均年間給与はメディア事業(旧ヤフー・LINE等)とコマース事業(旧ヤフーショッピング・ZOZO等)、戦略事業(PayPay等のFintech)を併せ持つ統合後の会社としての数値です。
過去の記事で紹介していた2018年時点の旧ヤフー単体の平均年間給与(766万8000円)と比較して給与水準が上昇したように見えますが、算出対象となる会社そのものが異なるため、単純な経年比較はできません。
2. LINEヤフー(旧ヤフー)の従業員数は何人か
出所:LINEヤフー株式会社「有価証券報告書 第31期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)」をもとにLIMO編集部作成
有価証券報告書によると、提出会社(単体)の従業員数は2026年3月31日時点で1万0577名です。
連結従業員数は2万9863名、メディア・コマース・戦略事業の3事業を展開:連結従業員数は約3万名規模で推移しており、臨時雇用者を合わせると約4万1000名規模にのぼります。
LINEヤフーグループは、メディア事業、コマース事業、戦略事業、その他の4つを報告セグメントとして事業を展開しています。
メディア事業ではYahoo!広告やLINE公式アカウント等の広告関連サービス、コマース事業ではYahoo!ショッピングやZOZOTOWN、Yahoo!オークション等のeコマース関連サービス、戦略事業ではPayPayを中心としたFintechサービスをそれぞれ展開しています。
連結従業員数の推移を見ると、主要企業の連結子会社化に伴い増加していることが分かります。第27期(2022年3月期)は2万3705名でしたが、2022年10月のPayPay株式会社の連結子会社化などを経て、第28期(2023年3月期)には2万8385名まで増加しました。
なお、2023年10月にはLINE株式会社やヤフー株式会社等との間で吸収合併を伴うグループ内再編が行われましたが、これらは統合前から連結子会社として従業員数に含まれていたため、連結従業員数への影響は限定的です(この再編で大きく変動したのは提出会社単体の従業員数です)。
第29期(2024年3月期)以降は2万7000名台から2万9000名台の範囲で推移しており、直近の第31期(2026年3月期)は2万9863名と、この5年間で最も多い水準となっています。
3. 過去5年間の業績推移
LINEヤフー(連結)の業績推移についても見ておきましょう。
売上収益は、この5年間一貫して増加を続けています。
第27期(2022年3月期)には1兆5674億2100万円であったものが、第31期(2026年3月期)には2兆0363億6600万円となりました。
営業利益は、売上収益とは異なる推移をたどっています。
第27期(2022年3月期)は1895億0300万円でしたが、第28期(2023年3月期)に3145億3300万円まで増加した後、経営統合に伴う費用等の影響から第29期(2024年3月期)には2081億9100万円まで落ち込みました。
その後は回復基調が続き、第30期(2025年3月期)は3150億3300万円、第31期(2026年3月期)は3413億2200万円と、5年間で最も高い水準まで回復しています。
親会社の所有者に帰属する当期利益も、営業利益と同様に第29期(2024年3月期)を底とするV字型の推移を描いています。
第27期(2022年3月期)の773億1600万円から、第28期(2023年3月期)は1788億6800万円まで増加しましたが、第29期(2024年3月期)は1131億9900万円まで減少しました。
その後は増加基調に転じ、第31期(2026年3月期)は1936億9200万円と、5年間で最も高い水準となっています。
4. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。
金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。
こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人員です。
4.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
今回取り上げたLINEヤフー株式会社は、就職・転職を考えるうえで特に注意していただきたい事例です。「平均年間給与902万円」という数字だけを見ると魅力的に映りますが、これは2023年10月の経営統合によって誕生した新しい法人としての数値であり、旧ヤフー株式会社時代の数値とは連続性がありません。また、同社はメディア・コマース・戦略という性質の異なる3つの事業を抱えており、配属先によって業務内容や求められるスキルは大きく異なります。応募や配属を検討する際は、平均値だけでなく、実際に携わることになる事業領域の実態まで確認することをお勧めします。
一方、投資家目線で見ると、LINEヤフーは経営統合という大きな再編を経て、収益基盤を着実に立て直している企業といえます。統合直後の第29期(2024年3月期)には営業利益・当期利益とも一時的に落ち込みましたが、これはシステム統合等に伴う一時的な費用が影響したものとみられ、その後は増収増益を続け、第31期(2026年3月期)には売上収益・営業利益とも過去最高を更新しました。親会社であるソフトバンクグループの傘下で、検索・広告といった従来型のメディア事業に加え、PayPayを中心とした決済・金融分野(戦略事業)の拡大が今後の成長ドライバーとして注目されます。
新NISAなどを活用して長期の株式投資を行う際は、こうした事業再編の進捗や各セグメントの収益性の変化を継続的に確認していくことが重要です。
参考資料
マネー編集部年収班
