「年収1000万円」は、キャリアを重ねる中で一度は憧れる、あるいは目標として掲げたことのある人も多いのではないでしょうか。年収アップを目指すうえで、分かりやすい一つの節目として語られることの多い金額です。
ですが、実際にこの水準に到達している給与所得者は、決して多数派ではありません。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」から、給与所得者で年収1000万円超えの実態を男女別・年齢別・業種別に確認するとともに、この金額を目指すうえでどのような選択肢があるのかを見ていきます。
この記事の3つのポイント
-
年収1000万円超は男性で9.7%、女性は1.6%と少数派 -
男性の給与は50代後半でピーク、60代で急落する傾向 -
業種選び・転職・副業・資産運用が年収アップの選択肢に
「年収1000万円」に実際に到達している人はどれくらい?
年収1000万円という数字は、多くの人にとって「特別な目標」として語られますが、実際にこの水準へ到達している人は限られています。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の給与階級別データを見ると、給与所得者のうち年収1000万円超の割合は、男性が9.7%、女性が1.6%、男女合計では6.2%となっています。
男性は全体平均を上回っているとはいえ、10人に1人程度という結果であり、「年収1000万円」が決して当たり前の目標ではないことがうかがえます。男女差にも注目すると、同じ年収水準であっても到達率には大きな開きがあり、雇用形態や勤続年数、管理職への登用機会など、複数の要因が影響していると考えられます。
年収は年齢とともに伸びるが、ピークは50代――その後どうなる?
年齢別のデータを見ると、男性の給与は加齢とともに右肩上がりで推移する傾向があります。25〜29歳では437.6万円、30〜34歳で511.6万円、40〜44歳で629.5万円、50〜54歳で708.5万円と伸び続け、55〜59歳の734.6万円でピークを迎えます。しかし役職定年や定年を控える60〜64歳では604.4万円まで下がります。
女性は25〜29歳の370.1万円がピークで、以降は350万円〜370万円台で推移し、男性のような50代での大きな伸びは見られません。
つまり、年収1000万円を「年齢が上がれば自然に届く」目標として捉えるのは早計です。ピークを迎える50代後半でも平均は734.6万円にとどまり、多くの人にとって1000万円の壁は年齢だけでは越えられないことがわかります。
業種選びで平均年収に500万円以上の差
年収を左右する要因は年齢だけではありません。所属する業種によって、平均給与には大きな差が生じています。最も平均給与が高い業種と最も低い業種の差額は、実に約553.1万円にのぼります。
全14業種の中で、平均給与の上位3業種は以下の通りです。
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832.4万円)
- 2位:金融業・保険業(702.3万円)
- 3位:情報通信業(659.5万円)
男性のみで見ると、金融業・保険業は898.1万円、電気・ガス・熱供給・水道業は878.5万円と、900万円に迫る水準です。
一方、平均給与が低い下位3業種は以下の通りです。
- 12位:サービス業(389.1万円)
- 13位:農林水産・鉱業(347.9万円)
- 14位:宿泊業・飲食サービス業(279.3万円)
業種の選び方一つで、年収1000万円への距離は大きく変わってきます。



