迫りくる「人生100年時代」。健康に長生きできれば嬉しいことですが、生活をするためには「お金」が必要です。

私たちとお金の付き合いは生涯続きます。とりわけ、65歳以降の年金暮らしを支えてくれるのは現役時代からコツコツと準備した貯蓄ですね。

今回は、厚生労働省や総務省の資料をもとに、65歳以上の「年金エイジ」の仕事やお金事情について眺めていきます。さいごに、働き盛りの現役世代がおさえておきたい「資産運用のポイント」についてもお話しします。

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1. 「いつまで働く?」平均寿命の推移から考える

さいしょに、平均寿命の推移から確認しましょう。

出所:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」(2022年7月29日公表)

厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によると、2021年の平均寿命は男性は81.47歳、女性は87.57歳です。年金開始年齢は原則65歳。65歳から平均寿命までの期間は、男性で約16年、女性で約22年ですね。

年金制度が開始された1961年(昭和36年)頃の平均寿命は男性が65歳程度、女性が70歳程度。60歳から年金受給を始めた場合、平均的な受給期間は男性で約5年、女性で約10年だったということになります。

つまり、年金制度発足当時よりも、年金受給期間は大幅にのび、男性で約3倍、女性で約2倍の年数となったわけです。

少子高齢化の進行にともない、年金制度の支え手である現役世代の数は確実に減っていきます。公的年金だけでは不安に思う気持ちなどから、還暦を過ぎても働き続ける人も増えてきましたね。