4. 【年金エイジ】65歳以上・無職世帯の貯蓄事情

ここからは、65歳以上世帯の貯蓄事情について、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年平均結果(二人以上世帯)」のデータをもとに確認します。

4.1 【年金エイジ】65歳以上・無職世帯「貯蓄額とその内訳」

平均貯蓄現在高:2342万円
《内訳》

  • 通貨性預貯金:623万円
  • 定期性預貯金:924万円
  • 生命保険など:403万円
  • 有価証券:388万円
  • 金融機関外:4万円

平均貯蓄現在高は2342万円。ここだけを見ると、ひところ話題となった「老後2000万円問題」はひとまずクリアしています。

ただし、平均値は一部の大きい値(今回でいうとお金持ちなど)に引き上げられ、実態とかけ離れるケースが多いです。あくまでも参考程度に見ておくとよいでしょう。

ここで着目したいのが、資産の内訳です。銀行などの預貯金が全体の7割を占めていますね。

この割合をどう捉えるかにはもちろん個人差があるでしょう。とはいえ、「日本人は預貯金に信頼を寄せ、投資はあまり好まない」と言われ、その傾向が如実にあらわれています。

老後の暮らしでは、健康面での不安も増えます。医療費や介護費用などでまとまった金額が必要となる場面も多くなるでしょう。また、昨今の止まらぬ物価上昇に対して不安を覚える人も多いはず。「いつでも取り崩せる」預貯金で資産をキープしておくことは、セカンドライフの安心に繋がる一つの方法であると言えそうです。

しかし、働き盛りの「資産形成層」の場合、資産の配分にもう少し工夫をしてみる必要があるかもしれません。次で詳しく見ていきましょう。