会社に出勤して給料をいただくー当たり前のようなルールですが、法律上はどのように定められているのでしょうか。

「労働法」という法律がありそうですが、日本には実は「労働法」という法律はありません。

労働契約法、労働基準法、男女雇用機会均等法などの個別法や労働組合法などの団体法、雇用対策法、職業安定法などの市場法など、雇用関係のルールは、各場面に応じて、各法律によってルール化されています。

読者の皆さんは労働基準法という法律を聞いたことがございますでしょうか。

労働基準法は、最低限の労働条件を定める法律であり、賃金、労働時間、休憩時間、休日、年次有給休暇など会社と従業員との間のルールを規制する法律として登場回数が多い法律です。

そのなかでも、労働者として関心が高いのは、やはり賃金(給料)や働き方ですね。

筆者は、弁護士として、労働者から会社に残業代請求をしたり、会社側で労働者からの残業代請求への対応や対策を行っているため、本稿では、残業代請求に焦点をあてて、人事担当者や中小企業の経営層がどのような対策がとれるか解説したいと思います。