総務省が2025年8月8日に公表した6月の家計調査結果によると、2人以上世帯が消費に使った金額は29万5419円で、昨年同月と比べ1.3%増加しました(物価の変動を除く)。
こうした中で、「もし物価高が続いたら老後はどうなるのか」と不安を抱く人は少なくありません。
特に、老後の生活を公的年金だけに頼る暮らしでは、現役時代と同じ水準を維持するのは難しいかもしれません。
今回は、老後生活が間近に迫ってくる50代のうちにできる3つの行動を、各種調査結果をもとに考えていきます。
50歳前後は「就職氷河期世代」とも呼ばれ、政府も支援策を打ち出していますが、自助努力は欠かせません。
これを機に、今後のライフスタイルや資金計画を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
1. リタイア後、二人世帯の家計収支はどうなっている?黒字か、赤字か
まずは標準的なリタイア世帯の家計収支データを、総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から見ていきましょう。
1.1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)
毎月の実収入:25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金):22万5182円
毎月の支出:28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
- 食料:7万6352円
- 住居:1万6432円
- 光熱・水道:2万1919円
- 家具・家事用品:1万2265円
- 被服及び履物:5590
- 保健医療:1万8383円
- 交通・通信:2万7768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5377円
- その他の消費支出:5万2433円
- うち諸雑費:2万2125円
- うち交際費:2万3888円
- うち仕送り金:1040円
■うち非消費支出:3万356円
- 直接税:1万1162円
- 社会保険料:1万9171円
毎月の家計収支
- 3万4058円の赤字
上記のデータを見ると、ひと月の収入は25万2818円で、その約9割にあたる22万5182円を公的年金などの社会保障給付が占めています。
一方で、支出の合計は28万6877円に上ります。このうち、社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、「生活費」にあたる消費支出が25万6521円でした。
結果として、この夫婦世帯は毎月3万4058円の赤字を抱えており、不足分は貯蓄の取り崩しなどでカバーする必要があります。