ただ、最近は「MSCIコクサイ」疲れで「MSCI ACWI」を投入する運用会社も出てきました。投資家としては選択肢が増えてうれしい限りですが、果たして新興国の比率がポートフォリオ全体での比率がどの程度かを知っている人がどれくらいいるのでしょうか。信託報酬の水準を考えれば、MSCIコクサイやMSCIワールドでもよかったとも言う人も出てくるでしょう。
実は機関投資家でもどのベンチマークを選択するのかに時間をかけています。その最も重要なベンチマーク選びを「とりあえずMSCIコクサイのベンチマークのインデックスファンドを買っておけばOK」という適当なアドバイスをしている書籍やFPを見ると大変残念な気持ちになります。個人投資家のことをちゃんと考えていないなと。
また、よく目にするのが、「米国のインデックスファンドを買っておけばよい」という意見です。過去のパフォーマンスを見れば、その判断で正しかったといえますが、この先もそれでよいのかわかりません。
新型コロナウイルスの影響は日本国内よりも海外、特に米国や欧州といった国や地域の影響の方が大きそうに見えますが、果たしてこれまで通りの投資先でよいのでしょうか。また、過去の株価パフォーマンスだけで将来を判断してよいのでしょうか。
実は、米国株式のインデックスファンドを選択するという行為自体が、「世界株式の中から米国株式を選択するというアクティブな行為」を個人投資家にさせていることになります。
グローバルの株式投資を実際にしたことがある投資家ならわかるのですが、各国の株式の比率を考えるのも非常に重要な行為です。