ワークマン、業績絶好調の背景とそのワケとは
決算から業績と株価までを読み解く
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ネットやマスコミでの露出が増え、「ワークマン女子」といったワードができあがるほどのブームを巻き起こしているワークマン。店舗への客足が急増することで業績も上々だ。今回はそんなワークマンの強みを解説するほか、投資家目線で見た懸念についても紹介する。
1月度既存店"21%"増
ワークマンは2月3日、1月度の月次業績速報を発表した。全店売上高は27.5%増、既存店売上高は21.1%増。小売業では多くの企業が月次業績を発表しているが、既存店で「21.1%増」という数字はなかなかお目にかかれない高水準だ。
振り返ってみると今期の月次はいずれの月も好調で、既存店で一番高い月は8月度の54.7%増。一番低い月の9月度でも16.1%増であり、今回発表された1月度までを含めた累計では26.3%増となっている。
売れ行きが好調な理由は後述するとして、こういった販売動向を背景にワークマンの業績も急拡大している。2018年3月期までは年間の売上高成長率1桁%台が長らく続いていたものの、2019年3月期には一気に19.4%まで急上昇。
2月4日に2020年3月期Q3累計決算を発表しており、2020年3月期の売上高は会社予想で905億円の見込みとなっている。それに伴って営業利益も近年強いペースで伸びており、また、営業利益率も上昇傾向にあることで収益性も改善している。
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こういった業績拡大には、ワークマン商品のウリの強さと知名度の拡大が背景にある。ワークマンは1980年、株式会社いせやの一部門として「職人の店ワークマン」1号店をオープンしてから事業が始まる。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03