現預金についても、「寝かせておくのであれば優良な投資先に回し、収益をより多く稼げ。投資先がないのであれば自社株買いを通じて株主に資金を還元しろ」という不満の声が上がるのがむしろ自然な流れだ。
会社側のリリースを見ると、負債の活用や大規模な自社株買いによる資本効率の改善策計画は確認できない。この状況では、キャッシュリッチと資本構成の改善余地に目をつけた投資ファンドが、株主提案や取締役の派遣を通じてメスを入れてくるといったシナリオも否定はできない。
現在のPERはさすがに手が出しづらい水準か
「ワークマン女子」などのワードができ、月次売上高も驚異的なペースで伸びているだけに、株式市場での評価も高まっている。2月上旬での今期予想PERは50倍台と、しまむらや良品計画、ABCマート、AOKI、アダストリアを圧倒する。ファストリの36倍と比べても絶対値としては高く見える水準だ。
これほどの高いPERには、過度に楽観的な業績拡大シナリオが背景にあると考える。今の時価総額である約7000億円と、2020年3月期の会社予想である純利益134億円をベースに、仮に今後5年間、当期純利益が対前年度比+25%で成長すると、PERは18倍に落ち着く。決して可能性としてない話ではない。