しかし、ワークマンの今後の事業リスクの存在も意識すると非常に高いハードルに感じる。若年層にヒットする中で「オシャレさ」もウリのひとつとなった以上、ワークマンは今後ファッション市場での「流行り・廃れの波」と闘わなくてはならない。
アパレル業界は多産多死の代表産業であり、流行り・廃れが業績に与える影響は非常に大きい。加えて、今後は低価格の観点ではしまむらなど、高機能の観点ではアルペンやミズノ、スノーピークといった競合を相手にすることとなる。
若年層向けファッション市場はワークマンにとって新市場であり、そもそも市場に関する経験・知識は他社と比較して乏しく、分の悪い競争にも見える。そのため、今後も強いペースで業績が拡大すると決めてかかるのは非常に危険であり、足元の売れ行きが一過性のブームに過ぎないのかという点も含めて、売上高の動向を慎重視する姿勢は引き続き求められる。
また、株価のバリュエーションをシビアに見る機関投資家は売買には参加しにくいという側面もあるであろう。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03