ワークマンが上場する市場は東証JASDAQであり、TOPIXの構成銘柄には加えられていないので、指数をベンチマークとして運用する機関投資家には大きくは買われない。また、保険会社や投資信託、年金基金などについても投資先を選定するうえで業績規模や上場市場などに関する制約を多数持っており、視野には入りづらい。

ワークマン株式の1日当たりの売買代金や時価総額対比をみても流動性は低く、この辺りの流動性リスクも機関投資家から敬遠されるポイントだ。こういった点から、ワークマンの株価は機関投資家によるシビアな目にさらされることなく、上昇を続けてきたとも考えられる。

今からワークマン株の購入を考えるならば、この「アパレル業界独特の事業リスク」と「機関投資家不在の中で形成された50倍近いPER」という点について特に熟考する必要があると考える。

石津 大希