以降はそのコンセプト通り「働く男のための店」として、工場や建設現場向けの作業服や安全靴、手袋などを製造、販売してきた。その後、防寒服やレインウエア、アウトドアやスポーツ用のカジュアル衣料なども手掛けるようになり、事業を拡大。そして昨今、「デザインが可愛い」「機能性が高い」「値段がお手頃」ということで若年層から注目を浴びるようになる。

ワークマン側もテレビや雑誌といったマスコミへの露出増加や、ファッションショーの開催、著名なYoutuberやインスタグラマーなどとのコラボ企画を通じて若年層に向けて積極的にプロモーションしており、巷では「ワークマン女子」といったワードができあがるほどのブームとなっている。

加えてワークマンは長年にわたって仕事用の衣料を製造してきたため、高機能という領域においても強みを持っており、「暑くない、寒くない、蒸れない、雨を通さない」といった点も高い評価を受けている。

そして驚きなのは、「値段がお手頃」との評価を得て然るべき原価率の高さだ。ワークマンの2019年3月期の原価率は62.4%。安さをウリにする「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの51.1%を大きく上回っており、しまむらの68.2%には及ばずといった水準だ。

筆者は財務諸表を通じてこの事実を発見したが、ワークマン女子などはオシャレ・コスパに関する優れた嗅覚のもと、商品と値札を見比べながらその「お得感」を見出しているのだろう。