5. 数字を比べるときに前提をそろえる

国と地方の数字を並べるときは、単位と対象がそろっているかを先に確かめると読み違えずに済みます。

5.1 月数と年額は直接は比べられない

国家公務員の4.70月分は支給月数で、地方公務員の176万674円は実額です。月数に掛ける基礎額は職員ごとに違うため、月数と年額をそのまま突き合わせることはできません。

比べるなら、月数どうしか年額どうしにそろえる必要があります。

5.2 「支給職員1人当たり」の意味を押さえる

総務省の調査では、期末手当と勤勉手当は支給職員1人当たりの平均年額として集計されています。

給料や扶養手当などの月額が職員1人当たりの平均であるのとは、分母が違う点に注意が必要です。手当を受け取っていない職員は、年額の側の分母には入っていません。

5.3 全職種と一般行政職では数字が変わる

都道府県の数値には教育公務員や警察職も含まれています。同じ調査でも一般行政職だけを取り出すと数字は変わります。

たとえば東京都の一般行政職は期末手当100万1500円、勤勉手当99万2900円で、合わせて199万4400円でした。全職種の203万5900円とは4万1500円の差があり、対象の取り方で数字が動くことが分かります。

5.4 年度の違う数字を並べない

人事院の勧告は令和8年8月7日に出されたもので、民間の特別給についても令和7年8月から令和8年7月までの1年間の実績をもとにしています。一方、総務省の地方公務員給与実態調査は令和7年4月1日現在の実態を示しています。

調査の時点がずれているため、国の令和8年の改定がこの地方の年額に反映されているわけではありません。国と地方の水準を金額で比べる場面では、同じ時点の数字をそろえて見ることになります。

6. 地方公務員のボーナスを自分ごととして見るには

報道で目にする平均額は、あくまで都道府県や指定都市をまとめた数値です。

6.1 勤務先の団体の条例と人事委員会勧告を見る

支給月数は団体ごとの条例で定まるため、正確な水準は勤務先の団体が公表している給与条例と人事委員会の勧告で確かめられます。

多くの団体は給与・定員等の状況をホームページで公表しており、そこに期末手当と勤勉手当の支給月数が載っています。

7. 【まとめにかえて】平均の数字は、対象と時点で動く

前半で見た都道府県の平均176万674円は、全職種を対象にした支給職員1人当たりの年額です。一般行政職だけを取り出すと数字は変わり、東京都では4万1500円の差が出ていました。

国の4.70月分は令和8年8月7日の勧告、地方の年額は令和7年4月1日現在の調査と、示している時点も違います。金額で比べる場面では、同じ時点の数字をそろえて見ることになります。

自分の勤務先の支給月数と支給額については、その団体が公表している給与条例と人事委員会の勧告、または人事担当部署にご確認ください。

参考資料

中本 智恵