公務員のボーナスは民間より安定していると言われますが、国家公務員と地方公務員では決まり方そのものが違います。

人事院は2026年8月7日の勧告で、国家公務員の期末手当と勤勉手当の年間の平均支給月数を4.70月分とするよう求めました。一方、地方公務員のボーナスは各地方公共団体の条例で決まります。

この記事では、国と地方でボーナスがどこで決まるのかを整理したうえで、総務省の調査から地方公務員が実際に受け取っている年額を確認していきます。2ページ目では、国の月数と地方の年額を見比べるときに気をつけたい点も取り上げます。

1. 国家公務員のボーナスは法律にもとづいて決まる

国家公務員の給与は、人事院が民間企業の支給状況を調べ、その結果にもとづいて勧告を行う仕組みになっています。

1.1 人事院の勧告から給与法の改正へ進む

人事院は職種別民間給与実態調査で民間の特別給の支給割合を算出し、国家公務員の期末手当と勤勉手当の年間の平均支給月数と比べます。

その結果を国会と内閣に勧告し、勧告を受けた給与法の改正によって支給月数が決まります。

1.2 令和8年の勧告では年間4.70月分

令和8年の勧告では、民間の特別給が年間で所定内給与月額の4.72月分に相当したのに対し、国家公務員は4.65月分でした。

人事院は民間との差を0.05月単位で改定する扱いをとっています。0.07月分下回っていたことから0.05月分の引上げが求められ、年間の平均支給月数は4.70月分とされました。

この4.70月分は一般の職員の月数で、勤務する地域によって変わることはありません。指定職の職員や定年前再任用短時間勤務職員などは、これとは別に支給月数が定められます。

なお、月数に掛ける基礎額そのものは職員ごとに違います。

その土台となる国家公務員の給与水準については、【国家公務員の給与】「月42万8451円」この額に賞与は入っていない。税と社会保険料を引く前なので、手取りはここから減るで確認できます。

1.3 令和8年度は12月期で引き上げられる

引上げ分は、期末手当と勤勉手当に0.025月分ずつ均等に配分されます。

令和8年度は6月期がすでに支給されているため、12月期の期末手当と勤勉手当で引き上げる形になります。6月期と12月期が均等になるのは令和9年度からです。

なお勧告は国会と内閣に対して行われるもので、実際の支給月数は勧告どおりに給与法が改正されて決まります。

国家公務員と地方公務員でボーナスが決まるまでの流れを並べた図1/2

国家公務員と地方公務員でボーナスが決まるまでの流れを左右に並べて比較した図

出所:人事院「令和8年 人事院勧告」および総務省「令和7年地方公務員給与の実態」を参考にLIMO編集部作成

2. 地方公務員のボーナスは各団体の条例で決まる

地方公務員の期末手当と勤勉手当は、国のように法律で全国分が定まるものではありません。

2.1 人事委員会の報告と勧告を受けて条例で定める

都道府県と指定都市は、地方公務員法によって人事委員会を置くことになっています。

人事委員会は地域の民間の状況を調べ、給料表が適当かどうかを議会と首長に報告し、あわせて勧告を行います。それを受けて各団体が条例で支給月数を定めます。

そのため、同じ地方公務員でも勤務する団体によって水準が分かれます。

2.2 国の改定がそのまま適用されるわけではない

地方公務員法は、職員の給与を定めるにあたって、生計費と、国および他の地方公共団体の職員の給与と、民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮するよう求めています。

国の勧告が地方に直接及ぶわけではありませんが、多くの団体が国に準じた改定を行うため、結果として近い水準に落ち着いていきます。

3. 地方公務員が実際に受け取っているボーナスの年額

決まり方の違いは、実際の金額にどう表れているのでしょうか。総務省の調査で確かめてみましょう。

3.1 都道府県の平均は年176万674円

総務省「令和7年地方公務員給与実態調査」で、都道府県職員の期末手当と勤勉手当を支給職員1人当たりの平均年額として見ると、47都道府県の単純平均は176万674円でした。全職種の数値です。

最も高いのは東京都の203万5900円、最も低いのは鳥取県の159万8100円です。

3.2 指定都市の平均は年178万865円

20の指定都市では平均178万865円で、最も高いのは横浜市の192万100円、最も低いのは札幌市の165万4500円でした。

都道府県と指定都市の期末手当・勤勉手当の年額を平均・最高・最低で並べた表2/2

都道府県と指定都市の期末手当・勤勉手当の年額を平均と最高額・最低額で比較した表

出所:総務省「令和7年地方公務員給与の実態」を参考にLIMO編集部作成

この調査は都道府県、指定都市、市区町村の3つに分けて集計しています。ここで取り上げたのは都道府県と指定都市の2つです。

4. 国は4.70月分、地方は団体ごとの条例で決まる

国家公務員のボーナスは、人事院の勧告を受けた給与法の改正で決まります。令和8年の勧告では、一般の職員の年間平均支給月数を4.70月分とするよう求められました。勤務する地域によって変わる月数ではありません。

引上げ分の0.05月分は期末手当と勤勉手当に0.025月分ずつ配分され、令和8年度は12月期で引き上げられます。6月期と12月期が均等になるのは令和9年度からです。

地方公務員は各団体の条例で決まるため、水準は団体ごとに分かれます。都道府県の期末手当と勤勉手当は支給職員1人当たりの平均年額で176万674円、最も高い東京都が203万5900円、最も低い鳥取県が159万8100円でした。指定都市は平均178万865円です。

公務員のボーナスという数字を見かけたときは、国と地方のどちらの話か、月数と年額のどちらで示されているかを確かめてみてください。勤務先の正確な支給月数は、その団体が公表している給与条例と人事委員会の勧告で確かめられます。

なお、ここまでの数字を国と地方で見比べるときには、単位と対象をそろえる必要があります。次のページで、その確かめ方を整理します。