6. 口座を減らしたい?一本化の進め方に悩む人へのアドバイス。IFA・橋本 優理が伝えたいこと
長年のあいだに増えてしまった口座を整理したい、というご相談をいただきます。
使っていない口座が複数あり、どこにいくらあるのかを把握しきれていない。そんな状態のまま年月が過ぎているという声も少なくありません。ここでは、実際のご相談を組み合わせて再構成した内容をもとに、一本化の進め方を整理します。
6.1 ご相談で多いお悩みは「口座が多すぎて把握しきれない」

6.2 【IFA・橋本 優理が回答】用途で3つに分け、残す口座を決めてから解約に進む
まずは、すべての口座をひとつの表にまとめましょう。金融機関名・支店・残高・使用用途を一覧表にします。
そのうえで、年金や公共料金などの毎月の入出金がある口座、貯蓄用の口座、使っていない口座の3つに仕分けします。
基本的には、固定費を支払っている口座と貯蓄用の口座がひとつずつあれば、その他の口座は不要です。これを機に不要な口座の解約を検討しましょう。
ただし、解約には本人確認と通帳や印鑑が必要になり、場合によっては銀行窓口に出向く必要があります。
万が一のことがあったときにご家族が困らないよう、まずは口座の一覧表を作っておくことをおすすめします。
7. まとめにかえて
今回は、70歳代の貯蓄と家計、そして70代に起こりうる資金の問題を確認してきました。
70歳代・二人以上世帯の貯蓄は平均2416万円、中央値1178万円。3000万円以上が25.2%を占める一方、金融資産を持たない世帯も10.9%います。65歳以上の無職夫婦世帯の家計は毎月4万2434円の赤字で、不足分は貯蓄の取り崩しで埋めている状況です。
また、平均寿命と健康寿命の差は男性で約8年、女性で約12年あります。この期間は医療や介護の支援が必要になる可能性が高く、支出が増えやすい時期でもあります。
見落としやすいのが、認知症による口座凍結です。判断能力を失ったと金融機関が判断すると、家族であっても預金を引き出せなくなります。解除するには成年後見制度を利用することになり、専門職が後見人となった場合には月額2万〜3万円程度の報酬が発生します。
対策としては、判断能力があるうちに家族信託や任意後見といった選択肢を検討しておくことが挙げられます。あわせて、資産の全体像を一覧にしてご家族と共有しておくことも有効です。
まずはご自身の年金見込み額と、いまの支出、そして手元の資産を一覧にするところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
橋本 優理
