65歳になると、介護保険の「第1号被保険者」になり、介護保険料が年金から天引きされるようになります。LIMOの記事では以前、全国平均の介護保険料が月6225円であることを紹介しました。

ただ、この6225円はあくまで「基準額」と呼ばれる目安の金額です。実際に支払う介護保険料は、所得段階によって一人ひとり違います。

この記事では、介護保険料が「基準額」と「所得段階」からどう決まるのか、その仕組みを確認していきます。

1. 介護保険料は「基準額×倍率」で決まる

まずは、介護保険料の決まり方の基本を確認します。

1.1 基準額は市区町村が3年ごとに決める

65歳以上の介護保険料は、市区町村が3年ごとに見直す「基準額」をもとに決まります。現在は2024年度(令和6年度)から2026年度(令和8年度)までの「第9期」にあたり、全国の基準額の加重平均は月6225円・年7万4700円です。基準額そのものは市区町村ごとに異なり、財政状況や高齢化の進み方によって差があります。

介護保険料の全国平均や、年金からの天引きの対象になる条件については、LIMOの記事「【65歳以上】介護保険料の全国平均は月6225円・年7万4700円|年金天引きの対象は年金額18万円以上、額を決めるのは市区町村」で詳しく解説しています。

1.2 実際の保険料は、所得段階に応じた倍率をかけて決まる

実際に支払う保険料は、この基準額に、本人や世帯の所得に応じた倍率をかけて決まります。所得が低い段階ほど倍率は低く、高い段階ほど倍率は高くなる仕組みです。

2. 所得段階は、国の標準で13段階

この所得段階について、国の標準を確認します。

2.1 第9期から9段階が13段階に増えた

介護保険料の所得段階は、第9期(2024年度〜2026年度)から、国の標準が9段階から13段階に増えました。低所得の段階の負担を抑えるため、高所得の段階をさらに細かく分けて、倍率を引き上げたことによる見直しです。

介護保険料は「所得段階」で13段階に分かれる1/2

介護保険料は「所得段階」で13段階に分かれる

出所:厚生労働省の資料をもとにLIMO編集部作成(国の標準段階・第9期)

2.2 段階が上がるほど、倍率も上がる

第1段階(生活保護受給者や、世帯全員が住民税非課税で年金収入等が82万6500円以下の方など)は基準額の0.285倍、真ん中にあたる第5段階(本人は住民税非課税だが世帯に課税者がおり、年金収入等が82万6500円を超える方)は基準額そのままの1.0倍です。もっとも高い第13段階(本人が住民税課税で合計所得金額が720万円以上の方)になると、基準額の2.4倍になります。

3. 全国平均の基準額で、段階ごとの目安を見る

実際にどれくらいの差になるのか、全国平均の基準額(月6225円)を使って、いくつかの段階の目安を確認してみます。

全国平均の基準額(月6225円)で段階ごとの目安を見る2/2

全国平均の基準額(月6225円)で段階ごとの目安を見る

出所:日本年金機構・厚生労働省の資料をもとにLIMO編集部が試算(全国平均の基準額を使用)

3.1 実際の基準額は、市区町村ごとに確認が必要

ここで使った月6225円は全国の加重平均であり、実際の基準額は市区町村ごとに異なります。また、段階の数自体も、市区町村が国の標準13段階よりさらに細かく分けていることがあります。自分が実際にいくら支払っているかは、送られてくる通知書や、住んでいる市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。

和田 直子

介護保険料は、お住まいの自治体によって異なります。また、所得段階で何倍も差が出るので、通知書が届いたら段階と金額を確認しておくと安心です。