10月になると、日本年金機構から「支給額変更通知書」が送付される方がいます。受け取った方の中には、「年金はいくら増えるの?」「10月から毎月の振込額が変わるの?」と気になる方もいるでしょう。

2026年10月から年金額が変わる代表的なケースが、65歳以上70歳未満で厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受給している方に適用される「在職定時改定」です。

在職定時改定により、前年9月から当年8月までの厚生年金の加入期間が年金額に反映され、10月分から老齢厚生年金が増額される可能性があります。

ただし、年金を受け取るすべての方の支給額が10月から変わるわけではありません。

本記事では、10月から年金額が変わる理由や、増える方・減る方について解説します。

1. 10月から年金支給額が変わる理由

9月1日を基準日に、前年9月から当年8月までの加入期間が10月分の年金に反映されます1/3

在職定時改定で、基準日の9月1日をはさんで前年9月から当年8月までの厚生年金の加入期間が算入され、10月分から年金額が改定される流れを示した図

出所:日本年金機構「令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました」

10月から年金額が変わる主な理由の一つが「在職定時改定」です。

65歳以降も会社などで働き、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受け取っている場合、厚生年金の加入期間が長くなるため、将来受け取れる厚生年金額も増えていきます。

以前は、在職中の厚生年金加入期間を毎年反映する仕組みがなく、原則として退職時などに年金額が改定されていました。しかし現在は、在職定時改定により毎年1回、在職中でも年金額が見直されています。

基準日(9月1日)において、厚生年金の被保険者である65歳以上70歳未満の方について、前年9月から当年8月までの加入期間を追加して年金額を再計算し、10月分から改定されます。

なお、65歳未満の方は、繰上げ受給をしていても在職定時改定の対象になりません。60歳代前半で年金を受け取りながら働いている場合は、退職時などの改定を待つことになります。

1.1 以前は退職を待たないと反映されなかった

以前は、65歳以降も働いて厚生年金に加入しても、その加入実績が年金額に反映されるのは原則として退職後でした。そのため、「長く働いて厚生年金を納めても、年金額が増えるのはまだ先」という仕組みでした。

しかし現在は在職定時改定により、働いた実績が毎年年金額に反映されるため、在職中でも年金額を増やせるようになっています。毎年年金額の増加を実感しやすくなっており、老後も働き続けるモチベーションを保つうえで、効果的な制度といえます。

1.2 10月上旬から支給額変更通知書が送付される

変更後の年金額・変更月・変更理由が記載されています2/3

日本年金機構が送付する年金決定通知書・支給額変更通知書の見本。変更後の年金額、変更月、変更理由の記載欄を示した書類

出所:日本年金機構「年金決定通知書・支給額変更通知書」

在職定時改定などによって年金額が変更される場合、10月上旬から順次、日本年金機構から「年金決定通知書・支給額変更通知書」が送付されます。

支給額変更通知書とは、年金の受け取り額に変更があった場合に、変更後の年金額や変更月、変更理由などを受給者に知らせる書類です。

ただし、支給額変更通知書はすべての年金受給者に届くわけではなく、年金の受け取り額に変更があった方が対象となります。

なお、毎年6月には年金を口座振込で受け取っている方に対して、日本年金機構から「年金振込通知書」が送付されています。年金振込通知書は、年金振込額や受取金融機関に変更があった場合にも送付されるとされており、10月に「年金振込通知書」も届くケースがあります。