3. あわせて知っておきたい2つのポイント

特例加算の見直しにあたっては、誤解しやすいポイントもあります。あらかじめ2点を確認しておきましょう。

3.1 「特例加算」以外の基準額も見直される場合がある

生活扶助の基準額は、特例加算とは別に、通常の基準改定によっても増減することがあります。厚生労働省は、加算を行ってもなお見直し前の基準額を下回る世帯については、見直し前の水準を保障する方針を示しています。

3.2 対象はあくまで生活保護を受給している世帯

今回の見直しは、生活保護を受給している世帯の生活扶助に上乗せされるものであり、生活保護を利用していない世帯に自動的に適用されるものではありません。生活保護の利用を検討する場合は、まず前述の要件や最低生活費の考え方を確認したうえで、お住まいの福祉事務所に相談することが基本になります。

4. 2026年9月公表の最新調査から見る生活保護の動向

厚生労働省は2026年9月2日、生活保護の利用状況をまとめた「被保護者調査(令和8年6月分概数)」を公表しました。ここでは、その概要を確認します。

4.1 被保護世帯数・実人員・保護率

令和8年6月時点の被保護実人員は196万9502人で、前年同月から1万8995人(1.0%)減少しました。被保護実世帯数は164万2778世帯で、前年同月から2424世帯(0.1%)減少しています。人口100人あたりの保護率は1.60%でした。

4.2 世帯類型別の内訳

世帯類型別に見ると、高齢者世帯が90万3532世帯(55.3%)と最も多く、このうち単身世帯が84万4730世帯(51.7%)を占めています。次いで障害者・傷病者世帯が41万6933世帯(25.5%)、その他の世帯が25万8690世帯(15.8%)、母子世帯が5万4953世帯(3.4%)となっています。

なお、同時期の保護の申請件数は2万970件(前年同月比73件増)、保護開始世帯数は1万8171世帯(前年同月比149世帯増)でした。

5. まとめ

生活保護は、世帯の収入や資産だけでは最低限度の生活を維持できない場合に、その差額を補う制度です。生活扶助に上乗せされている特例加算は、2023年度の導入以降、社会経済情勢等を踏まえて段階的に見直され、2026年10月からは1人あたり月額2500円となります。

あわせて、2026年9月に公表された最新の調査では、被保護世帯数・実人員がともに前年同月をやや下回る一方、保護率は1.60%で推移していることが確認できます。

生活保護の要件や支給額は個々の世帯の状況によって異なるため、具体的な内容については、お住まいの福祉事務所などの窓口で確認することをおすすめします。

参考資料

和田 直子