3. 【2026年8月公表】介護サービスの受給者1人当たり費用額は月20万4900円だった
75歳以上の方の負担は、医療保険の保険料だけではありません。介護保険のサービスを使えば、その利用料も家計から出ていきます。
厚生労働省は2026年8月に「介護給付費等実態統計月報(令和8年5月審査分)」を公表しました。ここから、介護サービスに1か月でどれだけの費用がかかっているかを見ていきましょう。
3.1 令和8年5月審査分の受給者数は介護サービスが483万7200人
令和8年5月審査分の受給者数は、介護予防サービスが102万3200人(対前年同月5.3%増)、介護サービスが483万7200人(同1.7%増)でした。
介護サービスの内訳を要介護度別に見ますと、要介護1が131万300人、要介護2が117万4600人、要介護3が92万2900人、要介護4が88万5200人、要介護5が54万4100人となっています。
3.2 費用額は9909億7600万円で前年同月から2.6%増えた
1か月の費用額は、介護予防サービスが292億500万円(対前年同月6.9%増)、介護サービスが9909億7600万円(同2.6%増)です。
これを受給者数で割った受給者1人当たり費用額は、介護予防サービスが2万8500円(同1.6%増)、介護サービスが20万4900円(同0.9%増)でした。
この費用額は保険給付額と公費負担額、そして利用者負担額を合計した額です。つまり20万4900円がそのまま自己負担になるわけではありません。
介護保険の利用者負担は原則1割で、一定以上の所得がある方は2割または3割です。1割負担の方であれば、20万4900円に対する自己負担の目安は約2万円ということになります。
4. 高額介護サービス費が介護の自己負担に月ごとの上限を設けている
介護サービスの利用が長く続けば、1割負担であっても自己負担は積み上がります。そこで負担が一定の額を超えた場合に、超えた分が払い戻される高額介護サービス費という制度があります。
上限額は所得の区分ごとに決まっており、世帯単位で判定される区分と個人単位で判定される区分があります。
4.1 住民税非課税世帯の上限は世帯で月2万4600円
市町村民税が非課税の世帯であれば、上限額は世帯で月2万4600円です。
そのうち、公的年金等の収入額と合計所得金額の合計が80万9000円以下の方などには、個人単位で月1万5000円という上限も設けられています。生活保護を受けている方の上限は個人で月1万5000円です。
4.2 課税世帯の上限は課税所得に応じて月4万4400円から14万100円
市町村民税が課税されている世帯の上限額は、課税所得の額で3つに分かれます。
- 課税所得380万円未満:世帯で月4万4400円
- 課税所得380万円以上690万円未満:世帯で月9万3000円
- 課税所得690万円以上:世帯で月14万100円
先ほどの受給者1人当たり費用額20万4900円に1割負担を当てはめた約2万円は、課税所得380万円未満の世帯の上限額4万4400円には届きません。ただし要介護度が重い方や、複数のサービスを組み合わせて使う方では上限に達することがあります。
高額介護サービス費は申請にもとづいて払い戻される仕組みです。該当する場合は市区町村から案内が届くことが多いものの、心当たりがあるときは介護保険の担当窓口で確認しておくと安心です。
5. まとめにかえて
令和8・9年度の後期高齢者医療の保険料は、全国平均で一人当たり月7989円・年9万5875円になりました。令和8年度からは子ども・子育て支援金分が加わり、賦課限度額も医療分85万円と子ども・子育て支援金分2万1000円に改まっています。
あわせて介護保険の側を見ますと、令和8年5月審査分の介護サービスの受給者1人当たり費用額は月20万4900円でした。1割負担なら自己負担の目安は約2万円で、負担が重くなった場合には高額介護サービス費が上限を設けています。
保険料の額は後期高齢者医療広域連合ごとに、介護の自己負担の上限は世帯の課税状況によって変わります。通知書が届いたら金額だけでなく内訳を見て、分からない点は窓口で確かめておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」
- 厚生労働省「介護給付費等実態統計月報(令和8(2026)年5月審査分)」
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム サービスにかかる利用料」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「保険料の決め方・賦課」
和田 直子