3. 第3号被保険者は約641万人。5年連続で減っている
国民年金には加入区分がいくつかあります。「第3号被保険者」は、厚生年金(公務員などが加入していた旧共済年金を含む)に加入している第2号被保険者の配偶者で、一定の収入条件を満たす人が対象です。
令和6年度末時点で該当するのは約641万人です。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見ると、女性の第3号被保険者は5年連続で減っています。
第3号被保険者の総数:約641万人
- 男性:約13万人(+3.1%)
- 女性:約628万人(▲6.7%)
この区分の特徴は、本人が保険料を負担しなくても国民年金に加入扱いとなる点です。費用は厚生年金制度全体で負担する仕組みなので、配偶者個人の保険料が増えるわけではありません。加入手続きは配偶者の勤務先を通じて行われます。
第3号被保険者の多くが女性であることには、就業構造が関わっています。厚生年金・国民年金の平均受給額にも、その差が表れています。
3.1 第1子出産をめぐる女性の就業変化
厚生労働省「令和7年版厚生労働白書」から、第1子出産をめぐる女性の就業の変化を見ていきます。
かつては第1子出産を機に離職する「出産退職」が一般的でした。2015〜19年のデータでは53.8%が仕事を継続しており、過半数を超えています。
ただし辞めずに済んでも、育児との両立のために「パート・派遣」といった非正規雇用を選ぶケースは今も多くあります。これが将来の厚生年金額や、第3号被保険者にとどまる要因のひとつになっています。
4. 6歳未満の子がいる家庭で、妻の家事・育児時間は夫の約4倍
共働き世帯は増えましたが、家庭内の分担には偏りが残っています。令和7年版「厚生労働白書・日本の1日」では、6歳未満の子どもがいる家庭の夫の家事・育児時間は1日平均1時間54分、妻は7時間28分でした。
妻が夫の約4倍の時間を家庭に割いている状態は、キャリアを続けて厚生年金に長く加入するうえでの壁になります。家庭内の分担が変わらないかぎり、老後資金の差は縮みにくいということです。
5. 休んでいる期間の扱いを、先に知っておく
ここまで、産休・育休期間の保険料免除と、厚生年金の受給額分布、第3号被保険者の推移、家事・育児時間の男女差を見てきました。
産前産後休業期間中と育児休業等期間中は、健康保険・厚生年金保険の保険料が被保険者・事業主の両方とも免除されます。
産前産後休業期間は出産の日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の日後56日までの間で、労務に従事しなかった期間が対象です。育児休業等は満3歳未満の子を養育するための期間が対象になります。
そしてこの免除期間は、将来の年金額を計算する際に保険料を納めた期間として扱われます。休んだ分だけ年金が減る仕組みではありません。
受給額の分布を見ると、月額30万円を超えているのは0.12%、20万円以上でも18.8%にとどまっていました。
手続きは事業主が行うため、勤務先の担当部署に確認してみてください。年金の見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確かめられます。
参考資料
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」
- 厚生労働省「令和7年版厚生労働白書・第2部-第1章 働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など」
- 厚生労働省「令和7年版厚生労働白書・日本の1日」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
- 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
- LIMO「【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説」
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