日本年金機構は2026年8月31日、「各地方公共団体のシステム更改等に伴う年金請求書等の審査への影響について」を公表しました。
各地方公共団体で順次行われるシステム更改等にともない、年金請求書等の審査に必要な住民票情報・所得情報の確認に時間を要する場合があり、処理期間について通常より「1〜2週間程度」要することが考えられるという内容です。
9月1日からは年金生活者支援給付金の請求書が順次届きます。銀行の窓口にいた頃も、書類を出したあとどれくらいで結果が来るのかという問い合わせは少なくありませんでした。
この記事では、8月31日に公表された内容と、年金生活者支援給付金の判定が住民票情報・所得情報にどう関わっているのかを解説します。
- 日本年金機構が2026年8月31日、地方公共団体のシステム更改等により年金請求書等の審査に影響が出る可能性を公表した
- 確認に時間を要するのは住民票情報と所得情報で、処理期間は通常より1〜2週間程度要することが考えられる
- 老齢年金生活者支援給付金は3つの支給要件のうち2つが、市区町村から取得する情報に頼っている
1. 日本年金機構が8月31日に公表、年金請求書等の審査が通常より1〜2週間
まず、公表された内容を正確に押さえておきましょう。
日本年金機構は、各地方公共団体において順次行われるシステム更改等にともない、年金請求書等の審査に必要な住民票情報・所得情報の確認に時間を要する場合があるとしています。その場合、処理期間について通常より1〜2週間程度要することが考えられると案内されています。
1.1 確認に時間を要するのは住民票情報と所得情報
挙げられているのは2種類の情報です。
1つが住民票情報、もう1つが所得情報です。いずれも日本年金機構が単独で持っている情報ではなく、市区町村から取得するものにあたります。
1.2 すべての手続きが遅れるという案内ではない
ここは読み違えたくないところです。
公表文は「時間を要する場合があり」という書き方で、全件が遅れるとはされていません。システム更改が順次行われるという性質上、時期や住所地によって状況は変わります。
住民票情報・所得情報の確認に時間を要する場合、処理期間は通常より1〜2週間程度1/3
出所:日本年金機構「各地方公共団体のシステム更改等に伴う年金請求書等の審査への影響について」をもとにLIMO編集部作成
2. 年金生活者支援給付金も、住民票情報と所得情報で判定される
では、給付金はこの2つの情報とどう関わっているのでしょうか。
日本年金機構が挙げる老齢年金生活者支援給付金の支給要件は3つです。「65歳以上で、老齢基礎年金を受けている」「請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税となっている」「前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が基準額以下である」です。
2.1 3要件のうち2つが市区町村の情報に頼っている
この3つを情報の出どころで分けてみます。
1つ目は日本年金機構が持つ年金の記録で判定できます。一方、2つ目は世帯にいる人とその課税状況の両方を見るため、住民票情報と所得情報が必要です。
3つ目の所得の基準も、令和8年度は80万9000円以下(生年月日により80万6700円以下)と定められており、判定には所得情報が使われます。今回の公表で挙げられた2種類の情報が、そのまま給付金の判定材料になっているということです。
2.2 対象となる書類の範囲は「年金請求書等」までしか示されていない
ただし、注意しておきたい点があります。
公表文が示しているのは「年金請求書等」という範囲で、給付金の請求書が含まれるかどうかは明記されていません。判定に同じ情報を使う制度である以上、影響を受ける可能性はありますが、断定できる書き方にはなっていません。
3. 影響を受けうる手続きは、年金生活者支援給付金だけ?
住民票情報や所得情報を使う手続きは、給付金のほかにもあります。
老齢年金そのものの請求もそうです。また、年金受給権者現況届は、住民基本台帳ネットワークの情報で確認できない人に送付されるもので、こちらは本人が住民票やマイナンバーを添えて、誕生月の末日までに日本年金機構本部へ到着するように提出します。
給付金についても、請求は1回で済みますが、要件を満たしているかどうかの確認は毎年行われます。住民票情報と所得情報は、請求のときだけ使われるものではありません。
