2. 「いつからもらえる?」令和9年1月4日(月曜)までに「届く」こと

はがきには提出期限が記載されています。まずは、その期限までに届くよう投函するのが基本です。

そのうえで、日本年金機構は次のように案内しています。令和9年1月4日(月曜)までに届いた場合、さかのぼって令和8年10月分から受け取ることができます。はがきに記載の提出期限を過ぎても手続きは可能ですが、令和9年1月4日(月曜)までに届かなかった場合は、請求した月の翌月分からとなります。

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いつまでに出すと、いつ分から受け取れるか

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金手続きのご案内リーフレット」(令和8年度の請求書に同封)をもとにLIMO編集部作成

図のとおり、令和9年1月4日(月曜)が分かれ目になります。ここまでに届けば、10月・11月・12月と、出すのが遅くなった月のぶんもさかのぼって受け取れます。手続きが年内に間に合わなくても、年明けすぐであれば取り戻せる形です。

いっぽう、1月4日までに届かなかった場合は、請求した月の翌月分からになります。たとえば1月に請求すれば2月分からです。10月分から1月分までは受け取れないことになります。

金額に置き換えてみます。保険料を480月すべて納めた方であれば、老齢の給付額は月5620円です。その方が4か月ぶんを受け取れないとすると、2万2480円になります。1回きりの差ではありますが、はがきを出すという数分の手続きで生まれる差だと考えると、小さくはないでしょう。

もっとも、遅れたら受け取れなくなるという話ではありません。請求そのものは、期限を過ぎても可能です。「もう間に合わないから」と諦めてしまうほうが、かえってもったいないことになります。見つけた時点で出すのがよいでしょう。

3. 「私は対象になるの?」老齢は3つの要件。線引きは生まれた年で変わります

そもそも、どういう方が受け取れるのでしょうか。はがきが届いた時点で対象と見込まれてはいますが、要件そのものを確認しておきます。給付金種別が「老齢」の方の場合、次の3つをすべて満たしている方が受け取れます。

1つめは、65歳以上で、老齢基礎年金を受けていることです。旧法の老齢年金、旧共済の退職年金、その他の老齢・退職を支給事由とする年金であって政令で定める年金についても対象になります。

2つめは、請求者本人を含む世帯全員の市町村民税が非課税となっていることです。自分だけでなく、同じ世帯の方も含めて見る点に注意が必要です。

3つめが、令和7年の年金収入金額とその他の所得の合計が、基準額以下であることです。ここが生まれた年で分かれます。

昭和31年4月2日以後に生まれた方は、82万6500円以下であれば「老齢年金生活者支援給付金」の対象です。82万6500円を超え92万6500円以下であれば「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象になります。

昭和31年4月1日以前に生まれた方は、82万4100円以下で老齢年金生活者支援給付金、82万4100円を超え92万4100円以下で補足的老齢年金生活者支援給付金です。生年による差は2400円です。

補足的、という名前がついているのは、基準額をわずかに超えた方が急に受け取れなくなることのないよう、段差をならすための仕組みだからです。基準を1円超えただけで全額なくなる、という形にはなっていません。

なお、この所得の合計には、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。年金を受け取っているから超えてしまう、と早合点しなくてよい部分です。

4. 「いくら受け取れる?」月5620円は、480月すべて納めた方の額

先に、いちばん早い確かめ方をお伝えします。はがきには、請求した場合に支給される見込額(月額)が記載されています。自分がいくら受け取れるかを知りたい方は、まずそこを見てください。これから説明する計算式は、その額がどう決まっているのかを確かめるためのものです。

金額の話に進みます。老齢年金生活者支援給付金は、次の2つの合計額になります。

1つめが、保険料納付済期間に基づく額です。月額5620円に、保険料納付済期間を掛けて480月で割ります。式にすると「5620円 × 保険料納付済期間 / 480月」です。

つまり月5620円というのは、480月、すなわち40年すべて保険料を納めた方の額ということになります。ここを取り違えると、実際に振り込まれた額を見て「思ったより少ない」と感じることになります。式に当てはめてみると、納付済期間が432月(36年)なら5058円、360月(30年)なら4215円、240月(20年)なら2810円です。

2つめが、保険料免除期間に基づく額です。昭和31年4月2日以後に生まれた方の場合、保険料の全額免除・4分の3免除・2分の1免除の期間については月額1万1768円、4分の1免除の期間については月額5884円を、同じように480月で割って計算します。昭和31年4月1日以前に生まれた方は、それぞれ1万1734円と5867円です。この額は老齢基礎年金額の改定に応じて変動します。

免除を受けていた期間のほうが単価が高く見えるかもしれませんが、これは免除によって減る年金額を補う趣旨のものです。納付済期間の額と合わせて受け取る形になります。

補足的老齢年金生活者支援給付金の場合は、保険料納付済期間に基づく額に調整支給率を掛けます。昭和31年4月2日以後に生まれた方であれば、92万6500円から前年の年金収入金額とその他の所得の合計を引き、10万円で割ったものが調整支給率です。所得が基準額に近いほど、受け取る額は小さくなります。

なお給付額は、毎年度、物価の変動による改定(物価スライド改定)が行われます。令和8年度の給付基準額は、前年度から3.2%の引上げとなりました。改定した場合は「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」が届きます。

5. 受け取れなくなる場合もあります

いったん受け取り始めても、あとから受け取れなくなることがあります。日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止のとき、刑事施設等に拘禁されているときの3つです。このうち、日本国内に住所がないときと刑事施設等に拘禁されているときは、届出が必要になります。

また、所得の状況などが変わって支給要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金 不該当通知書」が送られてきます。届いたら、理由を確認しておくとよいでしょう。

もうひとつ、気をつけたいことがあります。日本年金機構は、この給付金をかたる詐欺への注意を呼びかけています。日本年金機構や厚生労働省から、電話で家族構成や金融機関の口座番号・暗証番号を聞くことはありませんし、手数料などの金銭を求めることもないので注意しましょう。

はがきが届くこの時期は、こうした電話が増えやすい時期でもあります。問い合わせの際は、手元にはがきを用意しておくと話が早く進むでしょう。

6. 元証券会社社員の執筆者コメント

宮野 茉莉子
月5620円という額を見て、大きいと感じるか小さいと感じるかは人それぞれだと思います。ただ、この給付金は年金に上乗せされ、要件を満たしているかぎり続きます。480月すべて納めた方であれば1年で6万7440円になりますから、家計の中では固定的な収入のひとつです。今回のはがきは、書くところが3つしかありません。むしろ気をつけたいのは、簡単だからこそ後回しにしてしまうことのほうでしょう。覚えておくことは一点だけです。令和9年1月4日(月曜)までに届けば、令和8年10月分からさかのぼって受け取れます。郵便受けから取り出したその日に、氏名と日中連絡のとれる電話番号と提出する日付を書いて、目隠しシールを貼ってしまうのがいちばん確実です。切手を貼って差出人欄を書けば、あとはポストに入れるだけです。もし自分が対象かどうか判断がつかない場合は、はがきを手元に置いて給付金専用ダイヤルに聞いてみてください。世帯の状況や所得の中身で結論は変わりますから、迷ったまま自己判断で見送るより、確認をしましょう。

参考資料

宮野 茉莉子