4. 加入期間の上限は生年月日で変わる

3つ目の条件を詳しく見ます。

4.1 180月から228月まで

共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降の加入期間について、生年月日に応じた月数が定められています。

昭和22年4月1日以前生まれは180月、昭和22年4月2日から昭和23年4月1日は192月、昭和23年4月2日から昭和24年4月1日は204月、昭和24年4月2日から昭和25年4月1日は216月、昭和25年4月2日から昭和26年4月1日は228月です。この月数未満であることが条件になります。

4.2 長く働いた方は対象外になる

振替加算は、自分自身の厚生年金が少ない方を支える性格の加算です。そのため、加入期間が長い方は対象から外れます。

共働きで長く厚生年金に加入していた場合は、240月以上という条件に当たって対象外になることがあります。

5. 手続きは請求書への記入で行う

申請書が別にあるわけではありません。

5.1 裁定請求書に配偶者の情報を書く

日本年金機構によると、振替加算は年金を請求する際の裁定請求書に、配偶者の年金証書の基礎年金番号・年金コード、配偶者の氏名および生年月日を正確に記入することによって行われます。

配偶者が年金の受給権を有していない場合は、配偶者の基礎年金番号、氏名および生年月日を記入します。記入もれがあると加算されない可能性があるため、請求書を書くときに必ず埋めることになります。

5.2 あとから届出が必要になる場合

老齢基礎年金を受給している妻が65歳になった後に、夫の年金が次のいずれかに当てはまるときは、新たに振替加算を受けることができます。

夫が厚生年金保険および共済組合等の加入期間をあわせて240月以上の老齢年金または障害年金(1級・2級)を受けられるようになった場合と、夫が受けている年金が退職による年金額改定によって240月以上の老齢年金になった場合です。この場合は老齢基礎年金額加算開始事由該当届による届出が必要になります。

6. 額の基準日は昭和61年4月1日

なぜ生年月日で額が変わるのかを見ておきます。

6.1 その日に何歳だったかで決まる

日本年金機構の説明は、生年月日そのものではなく、昭和61年4月1日時点の年齢を基準に書かれています。この日に59歳以上だった方が24万3100円で、20歳未満だった方はゼロです。

大正15年4月2日から昭和2年4月1日生まれというのは、昭和61年4月1日に59歳以上だった方のことです。昭和41年4月2日以後生まれというのは、同じ日に20歳未満だった方を指します。生年月日の区切りは、この基準日から逆算されています。

6.2 率が示されている

振替加算の額の表には、政令で定める率という欄があります。昭和2年4月1日までが1.000で、そこから年齢が若くなるごとに下がり、昭和36年4月2日から昭和41年4月1日までは0.067で並びます。

昭和36年4月2日以後の5区分は率も金額も同じで、1万6335円が続きます。逓減が止まったあと、次の区分でゼロになる形です。

7. 生計維持関係の申告について

機構から案内が出ている項目もあります。

7.1 事後的に申告した方へのお知らせ

日本年金機構は、事後的に生計維持関係の申告を行った方に向けて、振替加算に関するお知らせを掲載しています。

振替加算は生計維持の関係を前提とする加算です。あとから申告した場合の取り扱いについては、該当する方に向けた案内が別に用意されているため、心当たりがある場合は年金事務所で確認しておきたいところです。

8. まとめにかえて

振替加算は、配偶者が65歳になって加給年金が打ち切られたときに、配偶者自身の老齢基礎年金に加算されるものです。加算される先が本人から配偶者へ移ります。

対象は大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた方で、額は生年月日が新しくなるほど下がります。昭和41年4月2日以後に生まれた方はゼロです。

手続きは裁定請求書への記入で行われ、あとから該当した場合は別途届出が必要です。夫婦それぞれの加入期間と生年月日を確かめたうえで、年金事務所に相談してみてください。

参考資料

和田 直子