2. 「増やす」から「使う」へ。蓄えを長持ちさせる3つのコツ

70歳代は、多くのご家庭で貯蓄がピークを迎える一方で、生活費としての取り崩しが本格化する時期でもあります。蓄えを長持ちさせながら安心して使うための、3つのヒントをお伝えします。

2.1 1. 夫婦二人分の年金「手取り額」を確かめる

額面ではなく、税金や社会保険料が引かれたあとの「手取り額」で、1カ月の基本の生活費がどこまでまかなえるかを確認しましょう。不足分がわかれば、取り崩す必要額が見えてきます。

2.2 2. 1年間に取り崩す「上限」を決める

足りない分を貯蓄から補う前提で「1年間にいくらまで取り崩すか」の上限額を決めておきます。あらかじめ枠を決めておけば、物価高の年でも使いすぎを防ぐことができ、漠然とした不安が和らぎます。

2.3 3. 上限の範囲では「前向きに使う」ことも大切にする

お金を減らしたくないと必要な支出まで我慢しすぎると、暮らしの質が下がってしまいます。健康維持やご友人・ご家族とのつながりなど、豊かな時間を支えるものには前向きに使いましょう。

3. まとめにかえて

今回は、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額(2416万円)と中央値(1178万円)を確認しました。2000万円以上が4割近くいる一方、貯蓄のない世帯は比較的少ない年代です。

生活が「苦しい」と感じる高齢者世帯が半数を超えるなか、70代のテーマは「増やす」から「使う」への切り替えです。蓄えを長持ちさせながら、必要な支出は前向きにすることが大切です。

今日からできることは3つです。まず、夫婦二人分の年金手取りを確かめること。次に、1年に取り崩す上限を決めること。

そして、その範囲では前向きに使うこと。守りと使いのバランスをとって、この夏、これからのお金の使い方を夫婦で話し合ってみましょう。

村岸 理美
長年連れ添ったご夫婦でも、お金への価値観や将来への不安の感じ方はそれぞれ異なります。だからこそ「年間いくらまでなら使っていいか」を二人で共有するだけで、気兼ねなく旅行や趣味を楽しめるようになり、笑顔が増えるご家庭をたくさん見てきました。また、日々の取り崩し用とは別に、介護や医療費などに備える「生活防衛資金」を専用の口座に取り分けておくと、より一層の安心に繋がります。

参考資料

村岸 理美