変動金利で住宅ローンを返済している人にとって、金利の動きが気になる場面が増えているのではないでしょうか。

住宅金融支援機構が2026年2月20日に公表した「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」によると、利用した金利タイプは変動型が75.0%を占めていました。

銀行で住宅ローンを担当していた頃も、金利が上がったら返済額はどうなるのかという質問は必ず出ていました。

この記事では、住宅ローンの金利タイプの内訳と、金利が上がったときに返済額がどう変わるのかを、借入3000万円の試算とあわせて確認していきます。

ココがポイント
  • 住宅ローンの金利タイプは変動型が75.0%。前回調査から4.0ポイント減っている
  • 金利上昇時に返済額が変わるルールを「理解していない・不安」と答えた人は47.2%
  • 借入3000万円・35年の試算では、金利が年0.7%から年1.7%に上がると毎月返済額が1万4266円増える

1. 住宅ローンの金利タイプは変動型が75.0%。固定期間選択型14.9%、全期間固定型10.1%

まず、実際に住宅ローンを借りた人がどの金利タイプを選んでいるのかを確認します。

住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)は、2025年4月から9月までに住宅ローンを借りた全国の1237人を対象にした調査です。

利用した金利タイプは変動型が75.0%、固定期間選択型が14.9%、全期間固定型が10.1%でした。

1.1 変動型は前回調査から4.0ポイント減った

金利の上昇を受けて、選び方には変化が出ています。

前回調査と比べると変動型が4.0ポイント減り、固定期間選択型が2.7ポイント、全期間固定型が1.3ポイント増えました。

それでも、4人のうち3人は変動型を選んでいる計算になります。

固定型に動く人が出てきているものの、変動型が依然として4分の3を占めています1/2

住宅ローンの金利タイプ別の利用割合。変動型75.0%、固定期間選択型14.9%、全期間固定型10.1%の一覧表

出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(住宅ローン利用者調査・2026年1月調査)をもとにLIMO編集部作成

1.2 借入金利は「年0.5%超〜年1.0%以下」が53.4%

実際に適用されている金利の水準も見ておきます。

借入金利は「年0.5%超〜年1.0%以下」が53.4%で最も多く、割合も前回調査より増えました。

前回と比べると「年0.5%以下」が減り、「年1.0%超〜年1.5%以下」が増えています。

2. 住宅ローンの返済額が変わるルール、「理解していない・不安」が47.2%

金利タイプの割合と並んで気になるのが、借りた人がルールをどこまで把握しているかという点です。

2.1 金利リスクの理解度は4つの項目で42.6%〜55.6%

同じ調査では、変動型と固定期間選択型の利用者1112人に金利リスクの理解度をたずねています。

「将来、金利が上昇した場合に、返済額がどのようなルールで変わるか(5年・125%ルールなど)」については、「理解しているか少し不安」が34.1%、「よく理解していない」が9.3%、「全く理解していない」が3.8%で、合計47.2%でした。

4つの項目全体では、この3つを合わせた割合が42.6%から55.6%の範囲に入っています。最も高かったのは優遇金利の適用ルールで55.6%です。

2.2 住宅ローンの5年ルールと125%ルールはどんな仕組み?

ここでルールそのものを整理しておきます。

三菱UFJ銀行の案内によると、5年ルール・125%ルールは変動金利かつ元利均等返済で借りた場合の仕組みです。毎月の元金の額を一定にする元金均等返済で借りた場合には、これらのルールはありません。

5年ルールは返済額を5年ごとに見直すもので、金利が変わっても次の見直しまで返済額は変わりません。

125%ルールは、見直しのときに返済額が増える場合でも、新しい返済額が前回までの返済額の125%を超えないようにするものです。

2.3 返済額が同じでも、元金と利息の内訳は動く

返済額が据え置かれても、負担そのものが消えるわけではありません。

金利が上がると、同じ返済額のなかで利息にあてられる部分が増え、元金にあてられる部分が減ります。

金利の上がり方が大きいと、返済額だけでは利息をまかなえなくなり、不足分が未払利息として扱われることもあります。返済金は未払利息、毎回発生する利息、元金の順に充てられるため、元金が減りにくくなります。

住宅金融支援機構も、生命のリスクや火災のリスクは保険でカバーできるものの、金利変動のリスクは保険ではカバーできないと説明しています。

3. 住宅ローン3000万円・35年で試算。金利が1.0ポイント上がると毎月1万4266円増える

ルールを踏まえたうえで、金利が変わると返済額がどのくらい動くのかを試算します。

3.1 毎月返済額と総返済額の試算

借入3000万円、返済期間35年、元利均等返済という前提で計算しました。

借入金利が年0.7%なら毎月返済額は8万556円、年1.2%なら8万7510円、年1.7%なら9万4822円、年2.2%なら10万2485円になります。

年0.7%から年1.7%へ1.0ポイント上がると、毎月返済額は「1万4266円」増え、総返済額の差は「599万1720円」です。

なお5年ルールが適用される場合、返済額の増加は5年ごとの見直しまで反映されません。ここでは金利差そのものの影響を見るため、当初から同じ金利で返済した場合として計算しています。

借入3000万円・返済期間35年・元利均等返済で試算しました(毎月返済額は円未満切り捨て、総返済額は毎月返済額×420回の概算)2/2

住宅ローン3000万円を35年で借りた場合の毎月返済額と総返済額。借入金利年0.7%から年2.2%までの4水準の比較表

出所:LIMO編集部作成

3.2 返済額が3万円増えたら、返済を続けられると答えたのは24.2%

この試算を、調査の回答と重ねてみます。

毎月の返済額が増えた場合の対応をたずねた結果では、1万円増加なら「返済目処や資金余力があるので返済継続」が58.8%、「見当がつかない、わからない」が15.5%でした。

3万円増加になると返済継続は24.2%まで下がり、繰上返済または借換えが44.1%、見当がつかないが27.2%に増えます。

試算では金利1.0ポイントの上昇で毎月1万4266円増えるため、1万円増加と3万円増加の間に入る計算です。

中本 智恵
住宅ローンの相談では、変動金利の低さに目が向きがちでした。金利が上がったときに毎月いくらまでなら払えるのかを先に決めておくと、返済額が動いたときの判断がしやすくなります。