厚生労働省の国民生活基礎調査(2025年)によると、生活が「苦しい」と答えた高齢者世帯は52.1%にのぼりました。物価高が続くなか、蓄えのある世帯でも「これからどう使うか」に頭を悩ませる時期です。
70歳代・二人以上世帯は、貯蓄を「増やす」より「使う」局面に入ります。まずは同世代がどれくらい蓄えているのか、平均と中央値で確かめておきましょう。
この記事では、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値の実態を確認し、蓄えを長持ちさせながら暮らしを楽しむ「使い方」のヒントを解説します。
- 70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値はいくらか
- 「増やす」から「使う」への切り替え
- 蓄えを長持ちさせる取り崩しの考え方
1. 70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値はいくらか?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額は次のとおりです。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。
1.1 70歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 70歳代二人以上世帯:平均2416万円/中央値1178万円
平均は2416万円、中央値は1178万円です。2000万円以上の世帯が37.5%にのぼる一方、貯蓄のない世帯は10.9%と、ほかの年代より少なめです。
平均が中央値を上回るのは、蓄えの厚い一部の世帯が全体を引き上げているためです。平均だけをみて安心・落胆せず、実感に近い中央値もあわせて、わが家の位置を確かめておきたいところです。
70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値2/2
出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」の数値をもとにLIMO編集部作成
1.2 70歳代夫婦の蓄えは「1000万円」がひとつの目安
金額帯ごとの割合をみると、70歳代・二人以上世帯の蓄えの厚みが見えてきます。
「1000万円以上」を持つ世帯は55.3%と、半数を超えています。長年の積み立てや退職金を経て、まとまった蓄えを築いた世帯が多いことがわかります。
一方で「1000万円未満」の世帯も44.1%あり、決して少なくありません。同じ70歳代でも、蓄えの厚みには大きな幅があります。
この年代のテーマは、蓄えを「増やす」ことより「上手に使う」ことです。まずはわが家の金額帯を確かめ、年金と合わせて何年でどう使うか、夫婦で見通しを立てておきましょう。
